第54話 物の歴史-ストーリー
ダンジョンの奥底で超強力な魔剣を見つけ、その日から最強無双でウッハウハ。
異世界ファンタジーでは良くある話……なのだけれど、そうはならない異世界ファンタジーもあります。
それがアースドーンというTRPG。ゲームシステムはちょいと分かりにくいのですが、世界設定に特徴的なところが多くて面白いヤツです。
その特徴の一つが、マジックアイテムの扱いなんですね。
この世界では、マジックアイテムの本当の力を引き出すには、使用者とアイテムの間に魔法の絆を作る必要があるのです。そして、魔法の絆を強くするには、色々な条件を満たさなければいけません。
最初の方だと、「そのアイテムの名前を知る」とか「アイテムの作成者の名前を調べる」とか。
だんだんレベルが上がってくると、「作成者が最後に休息した場所を訪ねて捧げ物をする」とか「アイテム作成時に使用された素材が採れた山に行って、素材を追加する」とかのそれだけで一つの話になる内容。
つまり、単純に強いマジックアイテムを手に入れれば強くなれる訳ではなく、手に入れたマジックアイテムと色々なミッションをクリアして絆を深めて強くなっていくシステムなんですね。
ミッションの内容が各アイテムごとに違うので、マジックアイテム一覧を読んでるだけで面白い。
そして、面白いものは真似したくなる訳で。
先祖伝来の武具を受け継いだ戦士が主人公。受け継ぐ時に、すごく強い武具だと武勇伝をたくさん聞かされたのだが、使ってみるとイマイチパッとしない。
家に飾っておく用にしようか、なんて考えていた矢先に、偶然にも吟遊詩人から武具の銘を教えられる。
その銘を呼び、助力を願ったところ、武具はこれまでにない力を発揮。これに感心した主人公は、武具のこれまでの来歴をもっと深く知るための旅を始める……
旅の各地での出来事を連作短編にしていく感じですかね。
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