第47話 二つの幻覚-魔法
好きな幻覚は『マンションズ&ドラゴンズ』の幻覚の罠のシーンです。
勇者パーティーが、その人の欲望を見せてくれる幻覚の罠にかかり、メンバーがどんどん脱落していく中、勇者がそれを打ち破る。
ただし、打ち破る事ができたのは、罠が見せた幻覚が、勇者が望んでいるけれど決して叶う事はないと知っているものだったから。
自分の望みを知り、それが叶わない事も知り、その上で幻覚を拒む悲しい決意が垣間見えるシーンです。
それはさておき、現実でも創作でもいっしょくたにされがちな感じがありますが、幻覚って2種類あるんですよね。
1つは、実際にそういう光が出ているもの。蜃気楼なんかがこちら側。光が曲がっているから、本来無い場所に見えているだけであって、そういう光自体は確かに目に届いている。
2つ目は、光はないけれど脳がそう見えたと思わせるタイプ。単純な見間違いとか、病気や薬などで見るもの。
ドラえもんの秘密道具だと、とうめいマントは前者で石ころ帽子は後者。とうめいマントは光自体が無いので見えない。石ころ帽子は光は目に届いているけど、脳に何も無いように感じさせている。
魔法としてどっちがいいかを考えた事もあるのですが、中々難しいところ。
前者は誰にでも同じものが見えますが、反応までうまく縛れない可能性あり。例えば悪事をしている代官に上様が来た幻覚を見せたとして、恐れ入って悪事を止めるか、開き直って切り捨てにくるかは状況次第。
後者は、術者が知らないものでも見せられます。例えば『相手の1番怖いもの』を見せようとすれば、魔法のかかった相手は各々自分の怖いものを見て怖がってくれます。
ただ、かかっていない人から見ると、何も無い場所を見て怖がっているように見えるので、何やってんだ?と効果を妨害されかねない。
幻覚の使い手を出す時は、どちらの幻覚を使えるのかをはっきりさせておかないと、矛盾した描写をしてしまうかもしれないので要注意ですね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます