第19話 猿真似魔法-セリフ

 ルビ実験が仮説通りにいかない…?

 下の行は失敗するはずだったのですが。

 上手くいってるんだからいいじゃん、というのも正しいのですが、理系的には不完全燃焼です。

 上手くいかなかった事を同じようにやったら、同じように上手くいかない結果が出た方が納得できるんですね。こういう状態を再現性がないと言います。

 再現性がないと、故障した機械を直すのに修理業者にきてもらったのに、修理業者がいる時だけちゃんと動くなんて悲しい事態が発生したりします。


 再現性は大事です。キーボードでaを入力したら画面にaの文字が出てほしいわけで、これがxだったりคだったり、突然シャットダウンしたりスマホが爆発したりすると困る訳です。

 フィクション界隈では、科学と魔法はしばしば対立概念のように扱われます。しかし、魔法だってちゃんと再現性がないと実用上では困ります。再現性があるなら、科学的探究で魔法を学問化できる訳で、そうすると魔法も科学の一部になる訳ですね。


○○○


 科学者の構えた、ゴテゴテと飾りのついた鉄の棒--断じて杖とは呼びたくない--から炎の矢がほとばしる。

 咄嗟に障壁の魔法を使ってそれを防ぎつつ、大魔法使いは吠えた。

「なぜ貴様らに、貴様らのような出来損ないのサルごときに魔法が使えるのだ!」

「驚くほどの事はないだろう、魔法使い。もう三度も見せられたからな。一度目はただ見た。二度目はたっぷり観察した。そして三度目だ。毛の無いサルとしては猿真似ぐらいしてみせるさ」


○○○


 大人しい系の科学者もいいけど、ちょっとワイルド系に啖呵をきれる科学者もカッコいいよね。


 まぁ、そもそもラノベ的に魔法学校とかあるなら、魔法が学問化されてるって事なので対立概念とも言いがたいのですけどね。実のところ、科学という言葉を機械技術の意味で使ってるのだと思ってます。

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