第13話 終わりと始まり-世界設定

 ハッピー・ソンクラン!

 ご存知の方も多いかと思いますが、タイにはソンクランという休日があります。

 ソンクランは、いわばタイの旧正月。長期のお休みとなり、みんな大体帰省します。元々手に水をかけてお清めする習慣があったのですが、一部ではコレを豪快にやっちゃおうぜという事で水かけ祭りと化しています。

 一番の大通りではさすがに禁止ですが、そこから脇道に一本入ると水かけ放題。露天のおばちゃんがドラム缶にガッツリ溜めた水を柄杓でぶっかけてきたかと思えば、道の反対側からはホースで放水、間を走る車からも水鉄砲で応戦ってな感じ。

 道を歩く人にも容赦なくぶっかけられるので、かけられたくない知り合いはこの時期引きこもってました。

 水をかけられて困らないかというと、さほど困りません。私もタイに住んでいた時にバイクタクシーを使った時にしっかり水をかけられましたが、3分ほどして目的地に着いた時には既に乾いていました。

 この時期のタイはものすごく暑いのです。妻によると、この数日は連続して40℃越えとのこと。雨もまだ多くない時期なので乾燥もしていますし。


 こういう、気候的に1番辛い時期に祭りをやって乗り切ろうとするのはどこの地方でも共通なのかなと思います。

 クリスマスだって冬至の祭りからの派生ですしね。寒い地方は1番寒い時期に祭りをし、暑い地方は1番暑い時期に祭りをする、と。

 そして、大きな祭は自然と節目になるので、そこで新しい年への切り替えをするようになるのかなという想像。

 まぁ、農耕の区切りの方も考えに入るんでしょうけど、それも気候と連動する訳で。


 これを踏まえると、異世界を設定する時にも、気候と暦を連動させる方がらしいのかな、なんて考えたりします。暑い地方から勢力を伸ばした帝国の一部だけど、寒い気候の地域なので、冬至の頃に旧正月を細々と祝ってるとか……

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