第18話

軍というのは、国の安全を守る存在だ。

国民の平和が脅かされた時、全力を持ってそれに向かう。

では、小林たちが守っている国はどこだ・・・。

『龍刀』

周囲を海に囲まれた小さな島国で、細長い地形が天に登る龍のように見えることから国の名が来ている。

小林たちはこの国の兵士であり国民である。

そんな龍昇は、深刻な不景気に悩まされていた。

いや、龍昇だけでなく世界中が大恐慌の被害を受けていた。

他の大国は、植民地に自国の生産物を無理やり高く売りつけることで

この不況を乗り切ろうとした。そしてそれは実際にそれなりの効果を見せていた。

だが、龍昇は周りを海に囲まれた島国であり。植民地を持たなかった。

龍昇は大国に倣って、植民地支配によって経済を立て直そうとした。

目をつけたのは隣国のリオンタリだ。

このリオンタリはすでに他の大国による植民地支配を受けていた。

龍刀国は、リオンタリに進出し多くの犠牲は出したものの、

リオンタリの中に、自治国を新たに建国した。

当然リオンタリも黙っているはずがなく、たびたび龍刀とリオンタリの武力衝突が各地で起き、次第に戦争に発展していった。

後に「龍虎戦争」と呼ばれる戦争だ。

小国が戦争で勝つためには必ず短期決戦でなければならない。

物資が無限にあるわけではないからだ、だがこの戦争は3年以上続き、次第にこの戦争は泥沼化していった。

なぜこんなにも長く続くのか?

それはリオンタリを支援している国がいたからだ。

アゲラーダとアエトスだ。

この2つの国は、リオンタリを植民地支配していた国だ。

龍刀とは比べ物にならないくらいの国力と資源を有する国で、

戦争が長引けば必ず勝てるということを知っていた。

この2つの国はその時はあくまで支援で実際に戦争に加わることはなかった。

というのもその当時はその2つの国内で反戦運動が活発だったからだ。

この2つの国は、リオンタリの次に龍刀を植民地支配しようとしていた。

大国の真似をして、どんどんと勢力図と力を伸ばしてきている龍刀が、

目障りだった。

龍刀も勢力を伸ばしてきてはいるものの、まだ、この大国と戦えるほどの国力は持っていなかった。龍刀はこの国と戦うことはできるだけ避けたいと思っていた。そしてそのことは、アゲラーダとアエトスもわかっていた。

この戦争に勝つためには、この2国をどうにかしないといけない。

そのためにはリオンタリへの物資支援ルートを潰す必要がある。

どうやって潰そうかと龍刀の軍部が頭を悩ませている時、思わぬ援軍が現れた。

スカイロスだ。





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