X段目 エピローグ
時は過ぎ、私を上り下りしていた子どもたちは卒業してしまった。
そして、また新たな子どもたちが私を使う。
グーチョキパーで遊んでいたあの子はどうなったのだろうか。
告白して撃沈していたあの子はどうなったのだろうか。
気になっても私には、卒業してしまったあの子達の今を知る方法がない。
子どもは変わっても、学校は昔と変わらない。
「こらー!手すりを滑るなー!」
「わー。またY先生に見つかったー!」
パタパタ逃げていく子どもたち。
それを注意するY先生。少し白髪が増えている。
それを見ていた実習生が校長と話している。
「Y先生。私がいた時と一緒ですね。教育実習で帰ってこれて、本当によかったです」
校長が微笑んで返す。
「そうですね。Y先生の教え子が実習生として帰ってきてくれて、私たちも嬉しいですよ。これから2週間がんばってくださいね。F先生」
あのとき、告白されて、断っていた少女Fだ。
あのとき、君が、Y先生に「手すりを直してほしい」と直談判に行ってくれたんだよね。
そのおかげで今の私(北階段)がいるよ。ありがとう。
Soshite Owaru Story
学校の階段「SOS」 ~ Stairs of School ~ TN太郎 @butaro-
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