5段目 SOS Story Of Sukidesu

階段の踊り場。


そこは、昔から告白の舞台とされてきた。

人通りの少ないであれば、絶好のスポットなのである。


聞いた話だが、体育館裏でも、そのような恋愛模様が繰り広げられるらしいが、

こちらも負けてはいられない。


2階と3階の間の踊り場にいるのは、少年Eと少女Fだ。

どうやら少年Eが呼び出したらしい。


「あの、Fちゃん。ずっと好きでした。もっと仲良くなってください!」


と言って、右手を差し出したE。


少し考えたF。


「うーん・・・ごめんね。これからも普通のクラスメイトでいよ」


Fは、続けて言う。


「私ね、手すり滑っている人は、ちょっと無理なの。この北階段が可愛そう」


確かにそうだ。

もっと、日頃の行いを改めなくては。少年Eよ。


何食わぬ顔で上っていく少女F。

肩を落として、階段を下りていく少年E。


せめて、これから手すりを滑らないでくれ。

そして、人生はまだまだ長い。

頑張れ。






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