各話解説:11話から20話まで

第11話


修行回。1対3での打ち合い稽古で、オリバーとメリナの名前が初登場。立ち回り次第で味方を邪魔してしまうというのは、『モンスターハンター』などのマルチプレイをイメージしている。このあたりはコマンド式のRPGなどでは無視されがちな部分だが、リアルに考えると重要だと思う。



第12話


冒険者ギルドの治安というのは作風が出るというが、うちのはひたすら明るくて楽しい酒場である。人が人を呼ぶ、観光名所としても描写した。賑やかな酒場を見て「祭りみたい」という感想はある意味でお約束か。「歓迎の儀式」は割とお気に入り。終盤の会話では「異変」についての伏線も展開。



第13話


朝を迎えた後の丁寧な描写。識字率の低さに言及。そして人気キャラ(?)ジャックが初登場する。この世界における「ソロプレイ」の意義などを語りつつ、ゴルド隊とはまた方向性の異なるベテラン冒険者の描写である。「さんざん世話になってるから恩返し」というのは、本作を精神性を象徴するシーンの一つともいえよう。



第14話


弓の修行回。トムは射撃の才能はあるが、肉体が白兵戦に最適化してしまったので普通の弓術はものにできないという設定。盾に慣れると弓を構える押しが弱くなるとか、それっぽいことを言わせている。法術の理屈とか、はっきり言って場当たり的というかかなり都合よく設定してしまったのだが、うまく流せているかな?



第15話


「怪鳥」は、この話のためにかなり都合よく「創作」したモンスターである。先ほどモンハンの話を出したが、別に「怪鳥イャンクック」がモデルというわけではない(まあ見た目は小さいクックでも筋は通るのだが)。ともあれ、新人には脅威だが熟練者には割に合わないという、かなり嫌なモンスターである。



第16話


反転回復を見た新人たちの感想と、怪鳥の死体を持って帰るだけの回。シンプルな話だが、冒険者の矜持や哲学のようなものを自然に解説できたという意味で、割と気に入っている回である。それにしてもジャック、本当に面倒見のいい奴だなぁ。



第17話


再び酒場回。いろんな関係性の話をする。作者としては、主人公トムとライラの今後について改めて確認というか、自問自答する回でもある(新キャラが増えて二人の関係性がぼやけてきたので)。後の急展開の前の箸休めというか、日常回という意味合いも大きい。



第18話


こちらも、冒険者の日常の回。あくまで個人事業主である冒険者にとって、仲間同士でお金や装備品はどう扱うべきなのかというのを改めて考えて落とし込んだ回。ゲームだとプレイヤーがまとめて管理するのだが、リアルだとどうなるのかを改めて考えた次第である。この部分を評価してくれた方がいて嬉しかった。



第19話


いよいよ中盤の山場である飛竜が姿をちらつかせる。生態については完全に創作だが、現実の大型爬虫類などを下敷きにして、なかなか手触り感のある生態を思いついたものだと自負している。必ずしも人間と魔物は敵対しているわけではなく、たまたま領域が重なった時に初めて戦闘になるという世界設定である。



第20話


対飛竜作戦会議。街を挙げてのレイドバトルの準備である。正面からぶつかっては勝ち目がない飛竜をいかに欺くのか、ということで新キャラの幻術師が重要な役割を担う。一芸特化型の魔術師は冒険者よりも研究者や軍属に向いている(逆に冒険者はゼネラリストであることが求められる)という設定も披露。




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