各話解説:1話から10話まで

第1話


冒頭のシーンで「主人公が自らの意思でパーティを離れる」「友好的なエルフが存在する」という設定を伝え、その後は仲間たちとの良好な関係を伝える。以降の話でたびたび仲間たちの話題が出るので、誰だかわからなくなったら1話を見ればわかるような作りを心がけた。



第2話


冒険者に対して一般の村人を描く。冒険者と一般人の関係は良好であること、金銭感覚が違うこと、朝食の習慣の有無などを対比させる。また「秋の間に太らせた家畜を冬が来る前に保存食にする」「ビニールなんてもちろん無いので油紙を使う」等という、現代社会では気づきにくいが言われてみればなるほどと思う中世の習慣も伝える。2話にしては注釈がやや過剰気味だったかも。



第3話


一人旅ならではの慢心や、格下モンスター相手の苦戦。また戦闘シーン自体もここで初めて登場する。ややスローペースな気もするので、例えば2話と入れ替えても良かったかも知れない。



第4話


ようやくヒロインが本格的に登場する。回復魔法の原理なども解説。裸で登場するというインパクトと同時に、天真爛漫な性格のアピールと、主人公との関連性をここで印象付ける。



第5話


第2話に続く、普通の人々の暮らし。今度はライラもいる。異文化との接触。賑やかな街の雰囲気。後に「炙った肉」をライラの好物として描写しているが、初登場はこの回である。美味しそうに見えたのなら嬉しい。



第6話


朝食の雰囲気や、馬を手配する駅家のシステムなど、読者にとっても新鮮であろうファンタジー世界の「普通」を、ライラの目を通して描く。乗馬シーンに関しては色々調べたが筆者自身は未経験なので、ちゃんと書けているか不安。



第7話


神殿が登場。豊穣神信仰に触れたり、「異変」の説明など、このあたりから物語の背景設定を徐々に出すようにした。



第8話


よくあるRPG的な世界における「冒険者」および、その「ギルド」とは何なのか、物語に起こすにあたって改めて真面目に考えた設定を開示する回。



第9話


クラスチェンジ(転職)のシステムを真面目に考えてみた回。あくまでも当人の心の持ち方の話で、システマチックなものではないということを強調。転職のペナルティ自体は、参考にした『ウィザードリィ』よりも軽めに設定した(あちらはHP以外のパラメータが初期化されるので)。



第10話


新人登場。生意気な印象は引きずりたくなかったので、あっさりと「わからせ」られる。改めてトム及び、彼の所属していたパーティがエリートだということを印象付ける。また優れた冒険者の逸話は吟遊詩人によって広められるという設定も。

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