単位と通貨と暦について

 本作では、メートル法やヤードポンド法などの、長さや重さの単位を意図的に徹底排除した。「ひじから拳までの長さ」「大人の男の半分くらいの重さ」など、登場人物の身近なものに例えて度量衡を表現した。


 途中で無理が出るかと思ったが、無事最後まで完走できたので、今後も異世界ものを書く場合に応用していきたいと思う。日常会話程度では、意外と単位がなくてもどうにかなるのである。


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 単位と言えば、お金の表現もかなり曖昧にしてある。具体的な金額を出したのは序盤の宿代と馬代、「怪鳥」の売却額・報酬程度となっている。金銀銅の通貨を用意したが、両替レートも設定していない。


 いずれも、下手に設定するとボロが出るだろうから後でまとめて設定しようと思ったのだが、曖昧なままでもなんとかなることが判明。ゲーム的な思考だとついつい具体的に設定したくなるのだが、本当に描きたいものを絞るために余計な部分は切り捨てる潔さも必要だと感じた。


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 単位や通貨を曖昧にした一方で、暦や太陽・月の運行については現実の地球と同様のものを敢えて採用した。ここはごまかしが効かない部分であり、特に月の描写については読者に対して明確かつ強いイメージを与える。「アルフ」と「ライラ」の言葉遊び(千夜一夜物語)で「1000と1度の満月のたびに~」というネタも入れることができた。


「現実と無関係な異世界なのに地球と同じ天文条件なのは納得ができない」というハードな御仁には「過去あるいは未来の地球の話」「地球をベースに作られた仮想世界」など、適当な理由をでっち上げて差し上げよう。

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