キャッチ第4話 精密高校戦


精密高校との練習試合。

オーダーが発表される。1番センター俊足の浅井、2番ショート強肩の片波先輩、3番ピッチャーの俺。4番キャッチャー純だ。5番ライトパワーが凄い糸野先輩、6番セカンド守備がうまい根元先輩、7番レフトヒットを凄く打つ柳先輩、8番ファースト当たれば長打の浜雪、9番サード送球がうまい白井、だった。前と変わっていない


審判の「プレイボール」の合図で試合が始まった。

俺の中野高校は後攻だった。

1番、2番が三振に倒れ俺に回ってきた。

相手投手はカーブとシンカーを投げ分ける左投手のようだ。

一球目はカーブでボール2球目はカーブでストライク3球目はシンカーでボール4球目はシンカーでストライク、2ボール2ストライクとなった。俺はストレートに強いと自分で思っている。

純にも言われた。

そして俺はストレートがくるまで待っていた。

5球目はカーブを投げてきたカットした6球目も7球目も同じだった。そして8球目、またカーブだカットしてやる。俺は振った。バットに当たらなかった。なぜならさっきより変化していたからだ。

そして俺はベンチに戻って帽子を取ってからマウンドに向かった。

1番バッターに初球ストレートにした。これは前と同じだ。そして投げた。「カキーン」俺の上を通りそうなライナーだ。俺はジャンプした。グラブにボールが収まっていた。「あっぶねー」少しホットした。

「タイム」と言って純がマウンドに来た。「危なかったな」「中村君、今日は僕のリードに従って」「なんでだよ、ちょっと危なかっただけじゃないか」「中村君、相手はこのチームを研究しているよ。」「それなら純のリードも研究されているんじゃない?」「でも僕は相手の高校偵察しに行ったから大丈夫」「そうか。じゃー純のリードに従うよ」

「プレイ」と審判が言って、試合が再開した。

純が偵察に行っていたのは本当だったようだ。

2番バッター3番バッターを3球三振で抑えた。

2回表バッターは4番の純だ。

「カキーン」純が打ったボールはライトの頭を超えていった。

純は3塁へ向かって走った。「セーフ」スリーベースヒットだ。ノーアウトランナー3塁。

そして続く5番の先輩がセカンドゴロ。その間に純がホームに帰って来た。1点先制だ。

その後2者連続三振で3アウト。

その後の中野高校は純は敬遠でその他のバッターは三振で抑えられた。

そして7回表。2番のが四球で出塁して俺が内野安打で出塁した。

ノーアウトランナー1,2塁。ここでバッターは純。

純は敬遠球で3ボールだ。そして4球目も敬遠球を投げた。その時だった。「カキーン」と響いた。そしてレフトスタンドに入った。これで4対0だ。そして9回表2アウトランナー無しで純の4打席目。

相手は純が打てないように純に向かってボールを投げた。その瞬間「うぁ〜」と言って純が倒れた。

ボールは純の左足に直撃した。俺は純のところへ向かって走った。

「純大丈夫か?」「左足が痛い」純は立てなさそうだ。そして審判が来た。その後純はベンチに運ばれてから、松下先輩と一緒にタクシーで病院に向かった。その後5番の糸野先輩が三振だった。これで中野高校は26三振で攻撃を終えた。純の代わりとして、キャプテンの渡辺先輩がキャッチャーとして入った。俺はキャプテンに「俺が投げるコース指示するのでちゃんと取ってください」と言った。

そしてここまで俺は精密高校を1人のランナーを出さないパーフェクトに抑えていた。

しかし俺は初回の1番バッターにヒットになってもおかしくない打球を打たれていた。

ここまで純のおかげで抑えていたと言ってもおかしくない。

この回抑えれるかわからない。

7番バッターが打席に立った。

一球目はインコース高めに投げた。

カキーン

少し音が小さい。

詰まった。

キャッチャーファールフライ。

誰でも取れる。

しかし渡辺先輩は落球した。

2球目ストレートをアウトコース低めに決めてツーストライク。

3球目はフォークを投げたから振った。

しかし渡辺先輩が後逸した。

振り逃げだ。

その後、ゲッツーで2アウト。

しかし、高速スライダーはすべてカットされるなどしてフォアボールを2者連続で与えて、2アウトランナー満塁。

次のバッターをスリーボールツーストライクまで追い込んだ。

高速スライダーはもう使えなさそう。

「しかたがないあれ使うか」

オリジナル変化球を投げることを決心した。

3番バッターに対する6球目。

スパーン。

ストライク。三振バッターアウト。

「しゃー」

俺は吠えた。

嬉しかった。良かった。使えた。


試合後…

俺は真っ先に純が行った病院へ向かった。

「松下先輩」

「おー。誠。頑張ったんやな。ノーヒットノーラン達成したんだってな。」

「ありがとうございます。そんなことより、純はどうなりましたか?」

「全治3週間の骨折」

「そうですか。ありがとうございます。」

そして1時間後…

「純」

「誠ありがとう、松下先輩ありがとうございます。」

「純、大怪我じゃなくて良かった。」

「本当に良かったよ。試合はどうなったの」

「純がノーヒットノーラン達成したってよ」

「凄いじゃん」

「最後はあれで抑えたぞ」

「使えたんだ」

「あれって、渡辺が言っていたたまたま取れて、指が腫れた最後の球か。」

「そうなんですか!謝っておかないと。」

「あと1ヶ月で、公式戦だからな、楽しみだな」

「よし、頑張ろう」

俺らは1ヶ月後の公式戦に向けて、走り出した。

第5話に続く…

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