第2話(初試合)

審判の「プレイボール」の合図で試合が始まった

僕の中野高校は先攻だった。スタメンは1番センター俊足の浅井、2番ショート強肩の片波先輩、3番ピッチャーの俺だった。大谷翔平の気分だ。4番キャッチャー純だ。5番ライトパワーが凄い糸野先輩、6番セカンド守備がうまい根元先輩、7番レフトヒットを凄く打つ柳先輩、8番ファースト当たれば長打の浜雪、9番サード送球がうまい白井、これがこの試合の先発メンバーだ。

1回中野高校の攻撃は、浅井がヒットで出塁して盗塁を決めて、片波先輩がバントを決めて、1アウト3塁次は俺だ右バッターボックスに入る。初球フルスイングした。ファールだった。2球目3球目はボール。俺は決めた。ストレートを狙う。相手ピッキャーは135キロぐらいのストレートとスライダーを投げるピッチャー。ストレートは、打てそうだった。

4球目はスライダーストライク。俺は振らなかった。2ボール2ストライク。そして5球目、しっかりと構えて「来た。ストレートだ」俺はフルスイングした。カキーン。少しいい音が聞こえた。ボールの行方を追いながら走った。ライト方向に飛んで行った。しかしライトがとった。犠牲フライだった。1対0だ。そして4番の純。カキーン。凄くいい音ホームランだ。これで2対0だ。5番の糸野先輩は、ショートゴロで3アウト。そして俺がマウンドに立った。キャッチャーの純から中村君の好きなように投げていいと言われた。1球目はストレートインコース高めに投げた。いい音だ。「ストライク」、と審判の声も聞こえる。2球目もストレート。3球目は140キロ代のフォークで空振り三振で1アウト、2番バッターと3番バッターにも同じように抑えた。

その後7回表まで2対0で試合が進んで行った。そして7回裏ここまで相手打線をパーフェクト。

マウンドに立った1番バッターを粘られフルカウントで11球目で130キロ代のフォークで空振り三振だった。「よっしゃー」と心の中で叫んだ。その時だった。

「タイム」と純が審判に言った。俺は驚いた。打たれてもいないのに。純がマウンドに来た。俺は「どうした」と純に言った。純は、「中村君。配球を変えないと打たれてしまう」と言った。「そんなの、気にしない気にしない。ここまでパーフェクトに抑えてるんだよ」と言った。

純は「ピンチになったらまた来るよ」と言った。確かにさっきのバッターは全て球をとらえていた。「でもいける」と、なんとなく思っていた。

2番バッターが、打席に立った。1球目ストレートをインコース高めに投げた。

「カキーン」いい音が聞こえた。打球は右中間に飛んで行った。2ベースヒットだ。3番バッターには、制球が定まらず4球連続ボールでフォアボール。俺は純に向かって、大丈夫大丈夫というジェスチャーを送った。そして4番バッター純が外野に向かって前進守備を要求した。1球目ストレートを外角低めに投げた。「カキーン」嘘だろ。でも助かった。レフト前ヒット。外野前進して2塁ランナーは帰ってこれなかった。ここで純が「タイム」と言って、マウンドに来た。「僕のリードに従って」と言って帰って行った。サインは知っていた。1球目は130キロ代のフォーク、外角低めに要求されて投げた。俺の前に転がった。俺は純に向かって投げた2アウト。そして純が1塁に投げた。ゲッツー3アウト。俺は「よっしゃー」と言った。そしてその後も純のリードを信じて投げて9回裏2アウトまで来た。あと一人。ここで1番バッター。140キロ代のフォークと130キロ代のフォークで2ストライクと追い込んだ。3球目はストレートを外角高めに投げて空振り三振。試合が終わった。勝った。嬉しかった。チーム全員で喜んだ。

「ごめん純」俺は謝った。純は「そんな気にするな。3じゅん目まではパーフェクトだったんだから、明日から全国制覇目指して頑張ろう」「オッケー」

二人は全国制覇を目指して走り続ける。

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