第7話 がんじがらめ

「二有無君、また会えて嬉しい.....」

「はは.....」


満月の夜

月明かりが家の中を差して、白く染める

だが、一つだけが暗くなっている


光を遮るように藍火がドアの間に立った


「あ.....」


その迫力に思わず動けなくなる二有無

まるで蛇に睨まれた蛙化のように痺れて動けなくなっていた

刹那、二人は硬直する


「大人しくしててね、二有無君」


だが、その直後

藍火が玄関に入り、扉をピシャリと閉めた

再び家の中が真っ暗闇に変わる


「や.....やべえ」


視界が真っ暗になり、二有無は慌てた

直ぐに立って自分の後ろを向き、急いで走っていく

だが、そのせいで音を立ててしまったのだろう


真っ暗闇で視界が見えずとも

藍火が二有無の位置が分かるのはいともたやすいことであった


「そこにいるのね、二有無君!」


音を確認すると、藍火はその主の方へ走っていく

二有無もたまらず走る


「捕まえた」

「あ.....」


だが、その声と共に二有無はつまずいた

藍火が二有無の手を取ったのだ


二有無は藍火によって後ろに引っ張られる


「しま.....った」


藍火によって後ろに引きずられていく

そして、藍火の腕によって二有無は体を固められた

二有無を抱きしめた藍火は思わずテンションが高まる


「二有無君だ.....。やっと私と一緒にいてくれた」


藍火は服越しに二有無のお腹を触る


「もう離さないよ.....二有無君」


耳にふっと息をかけられ、二有無は反射でびくっとした


「可愛い、二有無君」


その反応を見て、藍火の行動に拍車がかかる

頬を押したり、頭をなでたりした

二有無はもう諦めたのか力を脱力して、楽になった


「あ.....ああ」


二有無は複雑な感情であった

今まで自分は愛されたことがないために、嬉しいと言われれば嬉しい

これはいけないことだとは分かっててもどこか心地よかった

が、その一方でこれからされることに恐怖を覚えた


下手をしたら殺されるかもしれない

真っ暗であったが、藍火の顔色を窺った

紅潮して怒っていなく、二有無は少しほっとした顔になる


「.....」


その刹那、二有無は口を塞がれる

藍火が首を動かして、二有無の口にキスをした

あまりにも突然のことで二有無は声を上げる


だが、藍火は唇を話すことなく深く深く入れてくる

舌を入れて二有無の口を舐めまわす


「好き.....二有無君」


一旦、藍火は唇を話した

二人の口の間を愛の液体が伝う

藍火は頬を赤くして、ハーっと息を吐く

顔を興奮させて、ゆったりとした眼で二有無の顔を見つめた


「はあ.....。どうしよう、二有無君。好きって気持ちが抑えられないよ。君に対する思いが溢れて仕方ないよ。二有無君と接触してても、何だか物足りないよ.....。二有無君と一つになりたい。いい?」

「え.....それってどういう」


その言葉の意味が分からず二有無は戦慄する

もう頭がこんがらがっていた

二有無は至高を停止して、考えられなくなっていた


良いとも駄目と言われていないが、藍火は有無を言わさず

二有無の上半身の服の中に手を入れた


「ちょっときついけど、大丈夫だよね?」

「あ.....あ.....」


服の中に手を入れて、藍火は所かまわず触りまくった


「これが、二有無君の肌.....。好き.....」


なされるがまま二有無は触られまくる


「好き.....。好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」

「.....」

「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」

「.....」

「二有無君、好きって言って」

「う、うん。好き.....」


二有無は洗脳されたかのように、そう言った

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