新歓(利き茶)

 山手線ゲームは皆んなで盛り上がり、百円じゃんけんは決勝対決で秋葉悠一が渋谷智裕に勝利して、皆んなの小銭をゲットした。



 ■利き茶(エキシビジョンマッチ)


 最初にMCの大久保部長が利き茶の説明をする。


 利き茶は自分が飲んだお茶がどれかを当てるゲームです。普通はコンビニやスーパーで色々な種類のお茶を買い揃え、挑戦者は目隠しをして、その中から1種類のお茶を飲み、目隠しを外し、テーブルの上に並べられたお茶から正解のお茶を探します。

 しかし、橘聡一郎君は抹茶は元より、お茶の全てを知り尽くす茶道皆伝。コンビニやスーパーで買えるようなお茶は恥ずかしくて出せません。今夜は特別に全国から名のある名茶を取り寄せました。

 橘君には目隠しをして貰い、淹れたてのお茶を飲んで、お茶の産地と銘柄を言い当てて貰います。


(お茶)最初に正解を記載しておきます

 八女玉露 玉露白折あおい(福岡県)

 丸八製茶場 献上加賀棒茶(石川県)

 一保堂茶舗 極上ほうじ茶(京都府)


「本当にやるんですね」と目隠しされる聡一郎に、勿論と大久保部長が首を縦に振る。


 1杯目。差し出された湯呑みえを口元に運び、香りを確かめて、口に含む。そして味覚が落ちないように直ぐに吐き捨てる。

 丁寧に手摘みされた玉露の茎独特の甘味と香りが漂います。それでいて、さっぱりとした印象深い緑茶です。玉露の茎ばかりを集めた白折、産地は京都ではなく、恐らく福岡県八女地方の茎茶「玉露白折」だと思います。


 2杯目。これも茎茶ですね、すっきりと芳しく澄み切った味わい、茶葉の茎の部分を使用したほうじ茶、「加賀棒茶」ですね。産地は勿論、石川県。一番摘み茶の「くき」を浅く焙じあげて作られ、いつものほうじ茶とは違った味わいを楽しめます。


 3杯目。最後はほうじ茶でした。普段使いのほうじ茶は香ばしい香りとさっぱりとした味わいが特徴ですが、このお茶には京都産独特の極上の余韻がある。商品名まで分かります。とても人気がある一保堂茶舗「極上ほうじ茶」ですね。ほうじ茶は、煎茶の大きく成長した葉を焦がさないようにじっくりと焙じてできます。熱湯で気軽にサッと淹れられ、季節のお菓子と合わせたり、外出先での水分補給など色々な場面で活躍してくれます。


 司会の大久保部長が、実は全問正解だと告げる。茶道家元(宗匠)って抹茶以外の緑茶も詳しいんだ。目黒顧問は心配要らないって言われたが、全然駄目じゃないかと思ってた。


『でも橘って意外、蘊蓄を語るタイプだったんだ』

『語りたいのは俺じゃなくて作者でしょ。俺は嫌なんだけど、主人公だから仕方ないでしょ』

『大変だな、おまえ』

『人ごとですね』



 ■利き茶(本番)


 それでは、橘君の実力が十分証明されたところでエキシビジョンマッチは終り。これからが本番です。五人ずつ三組の新入生に登場して貰い、夫々の組から抽選で選ばれた一人に好きなお茶を淹れて貰います。

 橘聡一郎君には、目隠しして、そのお茶を飲んで貰い、先ずはお茶の産地と銘柄を、次に5人のうち誰がそれを淹れたのかを言い当てて貰います。


 第1組(女子1年)

 目白綾乃(法学部)

 日暮千聖(国文学)

 片岡瑞穂(国文学)

 大崎遥(心理学科)

 上野和香(経済学部)(男子マネジャー)


 第2組(男子1年)文系

 神田淳 (法学部)

 秋葉悠一 (法学部)

 その他


 第3組(男子1年)理系

 大和恒星(建築学科)

 大塚湊(工学部)

 渋谷智裕(建築学科)

 その他


(お茶)

 宇治の手摘み玉露(京都府)

 荒畑園がぶがぶ飲める 静岡深むし茶(静岡県)

 伊藤園お〜いお茶(ペットボトル)(工場)

 沢田園知覧茶後岳さわだえんちらんちゃうしろだけ(鹿児島県)



(第1ゲーム)


 目隠しされた聡一郎がテーブルに運ばれた湯呑みのお茶を飲む。


 これは玉露ですね、しかも玉露の産地の中でも品質が自慢の宇治田辺産の手摘み玉露。昔から伝わる栽培方法で健やかに育った茶葉を一つ一つ手で摘み製造した、旨みが豊富で深みのあるまろやかさが特徴の玉露、本来であれば、、もう目隠し取っていい?取るから。

 けれど淹れ方が出鱈目。湯は熱すぎ(70℃よりも低温で、50℃くらでも良かったのに、やけどしそうだったぞ、くそ)、蒸しも足りない。苦味が強く、甘味が十分に引き出されていなかった。

 話しながら順番に5人を見る。片岡瑞穂が目を逸らす。片岡さんが目を逸らした、可笑しい。


 は〜っとため息をく。


「でも悪くない。僕は熱いのが嫌いでないし、苦味も新鮮だった。何よりも宇治の手摘み玉露を選んだセンス、熱いハート、それでいて控え目」


 片岡の目を見る聡一郎。


「これを淹れた女性はとてもチャーミングだ」


 紅くなる片岡に微笑む。


「誰かは僕が言うまでもないよね」


 あ、また逃げた、、


 目の前から片岡が飛び出して逃げる、聡一郎も目の前のテーブルを飛び越える。


「瑞穂ちゃん、逃げても無駄だよ」と聡一郎が先回りして行く先を塞ぐ。

「なんで」と方向を変えて逃げる片岡瑞穂。


 恒星ってどこだ?あ、いた!


 右に回り込む聡一郎。聡一郎、片岡瑞穂、恒星が斜めに並ぶ。


「瑞穂ちゃん、そっちじゃない、左見て!」

「左、え?」


 目の前に大和恒星。片岡瑞穂が恒星の前で立ち止まる。その腕を掴む聡一郎。


「捕まえた」、聡一郎を見る片岡瑞穂。

「瑞穂ちゃんって可愛いね。大丈夫、きっと次は上手く淹れられる」


 黙ったまま2人を見ている恒星の前で、紅くなって頷く片岡瑞穂。


「お〜、落ちた!本人が自白したぞ」湊と智裕

 聡一郎が、1勝目と人差し指を上げる。


「橘君、今のはちょっと違わなくないか?」とMCの大久保部長が口を挟んできた。

「君は名前を答えてないし、片岡も自分だとは言ってない」

「あれ、本人が頷いてましたよ」

「俺は聞いてないし、見ていない。ノーゲーム、ドロー!ドローだ!」



(第2ゲーム)


 釈然としないが、聡一郎、深呼吸して気を取りなおし、お茶を飲む。これは!と黙り込む聡一郎。


 これは煎茶、静岡の深むし茶です。商品名まで分かります、荒畑園の「がぶがぶ飲める静岡深むし茶」です。荒畑園は茶葉の生産から製茶、出荷まで全てを一手で管理するこだわりの生産者、ここの煎茶は6月摘みの二番茶を原料に、熟練茶匠が本茶と呼ばれる葉の部分だけを丁寧に選別した一品です。

 湯色のグリーンが濃く、煎茶ならではの渋みが感じられるのも魅力。毎日飲むものだからこそ、製造方法や品質を重視したい人は要チェックです。


「たかがお茶なのに何なんだか凄くないか、聡一郎の奴」湊と智裕


 目隠しを取る聡一郎、テーブルの向こうにストッキングを被らされた男子が5人座っている。


 びっくりしたぞ、、、さすがに表情が全く読めない、でも、くじ運が悪い。ストッキング男子を睨みながら首を傾げて神田淳を探す、、いた!


「あっくん、あっくんじゃないよね」


 神田淳が手を振り、違う、違うとポーズする。


「違うのか、でも高校の部活で飲んでたのと同じだった。それに、上手く淹れてた。昔、俺が教えた通りだった」


 ストッキングを被ったままフリーズする神田淳。


「あっくんだと思うな、ストッキングとったら?ちゃんと目を見て話したいな」


 ストッキングを取ろうとする神田淳、なかなか脱げない。あっくん、変な顔になってる、でも、ここで笑っちゃだめだな。笑いを堪えて、神田淳が脱ぐのを待つ。


「3秒であっくんだと分かったけど、裏がある?」


 目を細めて神田淳を見る聡一郎。


「懐かしくて、思わず昔通りに淹れただけ?」

「 、、、、」

「ファイナルアンサー!あっくん、どっち?」

「誰が騙すか、懐かしかったんだよ」

「そうだと思った。ファイナルアンサー、神田淳君です(ちゃんと名前を答えたぞ)」


「何だかんだ言って、また、自白させたぞ」と感心する湊と智裕。


「だって、あいつ、お茶の淹れ方なんてどうでも良いって。昔から、分かんないから適当に淹れとけって言ってたから」淳

「だから適当に出来なかったんだ、おまえ複雑だな」悠一



「、、、正解!」と渋々、判定する大久保部長。



(第3ゲーム)


 また、目隠しをして一口飲む聡一郎。


「ちょっと待って、このお茶はただの『お〜いお茶じゃ』ないですか?しかも、ペットボトルから入れただけな気がする」


 部長、無視するな。目隠しを取る聡一郎。


「こんなの分かるわけない、いや(閃いたぞ)、だったら伊藤園が正解だ」


「お〜、これはまたドローか?」その他大勢


「ちょっと待って、この協調性のかけらもないやる気のなさ」


 聡一郎の顔に笑みが浮かぶ。わかった、絶対に、間違いない。


「訂正します、大和恒星君です」

「残念、不正確だ!大和が無視するから、大和が飲んでたお茶を俺が入れた。惜しかったな」


 間髪入れず、得意そうに答える大久保部長。


「そこまで協調性が欠けてたのかって、それもありですか?(部長は5人に入ってないし)」

「不正解だ!ありに決まってる。新入生の連帯責任だ」


 ***


「部長、1勝1敗ですね、もう引き分けにしませんか?」

「延長戦だ、とっておきのを用意してある。今度は顧問の目黒准教授にお茶を飲んで戴いて、橘にはその産地、銘柄を言い当てて貰う」

「マジですか?それってもう利き茶じゃないし、俺は霊能力者じゃないですよ」

「先生のお顔やお言葉から推測すればいい、橘はそういうの得意じゃないか」

「適当なこと言われたら分かりませんよ」

「公正に目黒先生にも目隠しして貰う。安心しろ」

「余計、俺に不利じゃないですか」

「大丈夫、目黒先生は茶道部の顧問もされている。きっとお茶にもお詳しい」



「利き茶って聞いてたけど、超魔術でもすれば良い?」目黒准教授

「タネも仕掛けも有りませんよ。チームビルディングの一環です、顧問の先生との信頼関係は大事ですから」大久保部長

「じゃ、橘君が正解できるように頑張ってコメントすれば良いのかな?」

「無理なさらなくても、まずは獅子は我が子を、です。千尋の谷に突き落として下さい」

「どちらでも構わないけど、彼が間違えたら僕まで罰ゲームってことはないよね」

「ありませんよ、先生に罰ゲームなんて」

「そうであれば安心した、適当にやるね」



(第4ゲーム)


 目隠しをする目黒准教授がお茶を飲む。


「甘みと渋み、煎茶ですね、そこまでは分かります」目黒准教授

「煎茶ですか、日本の茶生産量の約8割を占め、最も日本人に親しまれているお茶ですね」聡一郎

「良いお茶だと思います。爽やかな香りとコクのある旨み、柔らかな渋み、バランスも絶妙です」

「爽やかな香り、旨み、柔らかな渋み、、新茶ですか?」

「さあ、お茶の色でも見れたら、もう少しヒントを出せるように思うけど」

「でも、微かに香りは感じます、雅で芳醇な香り。新茶な気がする。だったら今の季節、鹿児島か」

「鹿児島ですか?そう言えば今日のお茶は橘君の実家に協力して揃えて貰ったそうだよ」

「うちに?ああ、道理で、随分まともな品揃えだと思ってました。であれば知覧茶ですね、懇意にしている店がある。そこに、後岳って幻の名茶があるんです」

「それでは後岳ですか?」

「ええ、でも残念ですが未だ飲んだことないので」


 聡一郎が目隠しを外す。


「分かりません、ギブアップします」


 ***


「大久保君、罰ゲームは上級生も一緒だよ、新歓だろ、ちゃんと歓迎してあげて」目黒准教授

「不満そうな顔しない、本当は橘君が勝ってたんだから、言うこと聞きなさい」


 橘君、正解だったのに何故だろう、、僕がヒントを出しすぎたからだろうか。


 それでは罰ゲームです、橘君には先輩たちと一緒に、恋するフォーチュンクッキーを踊って貰います。大久保、男女バレー部の上級生が舞台に上がる、聡一郎も右手で、いいね(Thumbs-up)して、舞台に上がって先輩たちと一緒に踊る。


「聡一郎、やばくね?めちゃうま、、」悠一と智裕

「橘君って思ってたのと違ってた、可愛いね」瑞穂

「いつも大和君と凄い練習してるから、皆んなで関わらないようにって言ってたもんね」遥


『懐かしいな、小学生の頃よく踊ったもんな、この曲』、舞台で踊る聡一郎。無理矢理、従姉弟いとこに踊らされてたんだけど、、まあいいか、楽しいし。


 片岡瑞穂、大崎遥、日暮千聖、上野和香、新入生女子も舞台に上がって踊る。


『良かった、盛り上がると思ったんだ』と大久保部長も踊っている。




 -お茶について-


 生葉を加工して作られるお茶。生葉は採取された時点で酸化酵素により発酵が始まり、その発酵度合いによってさまざまな種類のお茶に分かれます。例えば緑茶やウーロン茶、紅茶は同じ「カメリアシネンシス」という茶の樹からできていて、緑茶は不発酵、ウーロン茶は半発酵、紅茶は完全発酵というように、発酵度合いの違いにより違うお茶ができあがります。


 -緑茶(不発酵茶)

 日本人に馴染み深い緑茶。苦味や渋味、旨みなど独特な味を楽しめます。茶の葉を摘み取った直後に、酸化発酵を極力抑えて発酵するのを防いだ不発酵茶です。味だけでなくカテキンやビタミン、サポニンなどの成分も多く含まれているので、さまざまな栄養が取れる。

 -青茶(半発酵茶)

 ウーロン茶は青茶の代表。茶の葉の発酵途中で加熱することで発酵を止めた半発酵茶です。日本では中国・福建省、広東省、台湾のものが有名です。

 -紅茶(発酵茶)

 紅茶は茶の葉を完全発酵させた発酵茶です。インドの「ダージリン」、スリランカの「ウバ」、中国の「祁門(キーモン)」は世界三大銘茶と呼ばれています。


 日本の緑茶の種類は、煎茶、玉露、玄米茶、抹茶などに分かれます。

 煎茶は、全製茶生産量の約8割を占め、多くの日本人に親しまれているお茶です。新芽から摘み取りまでずっと日光に浴びさせて育てます。鮮やかな緑色と爽やかな香り、味は甘味と渋味が楽しめます。一般には70℃前後のお湯で淹れ、1〜2分抽出します。

 玉露は日光を遮って育てます。 日光を遮ることで旨み成分のテアニンが増えるため、コクと甘みのある味わいができあがるのです。丁寧に作られた玉露は、日本茶の最高級品とも言われています。おいしい玉露を淹れるには、低温の湯でじっくり時間をかけ、旨み成分を引き出します。

 玄米茶は、煎茶や番茶を強火で加熱したものと、蒸して炒って狐色になった玄米を、ほぼ同量ずつ混ぜたもの。比較的あっさりとしており、香ばしい香りと味が特徴。淹れるときには、沸騰した湯で短時間で抽出するのがポイントです。 旨みや渋味成分が少ないため、高温で淹れても旨みや渋味は強く出ません。

 ほうじ茶は、煎茶や番茶を強火でキツネ色になるまで焙煎したお茶です。香ばしさとすっきりとした味わいが特徴。焙煎したことで、苦味成分や渋味成分が壊され、ほかのお茶よりも口当たりがあっさりしています。熱い湯で淹れるほうがよいとされています。

 茎茶は、茶の若枝、茶葉の柄、新芽の茎を混ぜて作られるお茶で、棒茶とも呼ばれています。甘味や旨み、香り成分は葉よりも茎のほうが豊富なため、独特の香りと爽やかな旨みが特徴的です。玉露や高級な煎茶の茶葉から作られた茎茶のことを特に雁ヶ音かりがね白折しらおれと呼びます。茎茶は温度によって、違う味わいが楽しめ、高温だとシャープな味わいに、抽出時間を長くすると甘味が引き出されます。

 抹茶は、蒸された茶葉を揉まずに乾燥し、石臼で挽いて粉状にしたお茶です。茶の葉をお湯で浸出させて飲むお茶とは異なり、抹茶は茶葉をまるごと飲むので、お茶本来の栄養もしっかり摂ることができます。

 番茶は、煎茶にする葉を摘んだあと、枝に残され固くなった茶の葉を原料とするお茶です。番外茶が由来とされており、主流から外れたお茶の総称です。煎茶と比べて含まれているカフェインが少ない分、身体に刺激が少ないお茶を好む人におすすめです。

 

 お茶は淹れ方の違いで味が変化する繊細な飲み物です。 基本は、一煎目は湯を少し冷ましてから注ぐ、二煎目からは茶葉が十分に開いているので、熱いままのお湯を急須に注ぎ、10秒ほど待って淹れます(熱いと苦味、渋みが出る)。

 水出し茶は、苦味が少ない、まろやかな旨みを楽しめます。水750mlに対し、茶さじ大盛り1杯の茶葉が目安です。冷蔵庫に入れ、1時間〜2時間かけてじっくり抽出します。

 氷出し零茶は、氷とともに溶け出た濃厚な旨みが楽しめます。急須に氷を入れ、茶さじ大盛り1杯の茶葉を上からかぶせます。冷水を少し茶葉の上にかけ、2〜3分おいて抽出します。


 産地。全国のお茶の4割を生産する国内最大の茶どころは「静岡県」。牧之原周辺は、味が濃く苦味渋味の少ない深蒸し煎茶の製法を開発したことでも有名です。川根・天竜・本山などの山間部では、茶の栽培に適した気象を生かし高品質の日本茶が作られています。

 高級感ある高い品質を誇るお茶なら「京都府」。京都の宇治近郊や和束町わづかちょう、山城は、高い品質を誇る高級茶の古くからの産地です。全国各地に普及している栽培技術や製茶法も宇治が発祥と言われています。伝統の技と恵まれた自然により、上質な玉露、抹茶の材料となるてん茶、煎茶を作っています。

 「福岡県」八女地方も玉露と煎茶の名産地。芽の数を少なく一枚一枚の葉を大きく育てる「芽重型」という栽培方法を行っているので、品質が高いお茶が生産されます。八女茶はあざやかな緑色が美しく、甘くてコクがありしっかりとした旨みとさわやかなのど越しが印象的です。

 新茶好きなら「鹿児島県」のお茶。鹿児島県は九州の最南端にあり、日本で一番早く春が来ます。そのため新茶の時期も早く、4月前半から「走り新茶」が収獲できることで知られています。いっぽう 「夏も近づく八十八夜(童謡『茶つみ』)」で歌われるように、ほかの地域では八十八夜の頃に新茶の季節を迎えるところが多いようです。八十八夜とは初夏のこと。5月初旬を指す言葉です。知覧茶、溝辺茶などが有名です。

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