無聊を託つ

 おれは本当に中途半端な毎日を暮らしていると最近思うんだが、どうだろうか。なにせ平日は仕事を淡々とこなし、休日は一日中部屋にこもってゲームか読書をするだけなんだぜ。「ゲーム」「読書」なんて「文武両道」みたいな感じで書いているけれど、実際はそんな素晴らしいものでもない。「おれは友達がいない」と言っているようなもんだ。

 最近、仕事先の同い年の社員が退社した。その前にも同年代のミャンマー人が退社した。おれがこの仕事を何とか続けていられるのは、少しばかりかきつくても自分と同じ世代が同じような苦労をしていると思えたからなのだ。少なくとも精神的にはそうだった。

 しかし、ついに二人ともやめてしまった今、おれにとって何がモチベーションになるのかさっぱり分からない。しいて言えば、これまた同年代の女性の社員が残っていることくらいだろうか。まあ、部署が違うからほとんど顔を合わさないものの、おれが手伝いに行った時にはしばしば言葉を交わすことがある。女性との付き合いを中学生で終えたおれにとってはまたとないチャンスだ。ああ、「女性と話す」という意味だ。決して「交際」なんて意味にはならない。勘違いしないでおくれ。現実のおれはあまり良い人間ではないんだよ。それも一人の女性を幸福にすることができるほどのね。おやおや、どうして彼女を「一人」だと思っているんだい? まあ、いいや。

 この頃妙に暑い。北海道って昔からこんなに猛暑が続く場所だっただろうか。昔なんて思い出せやしない。小学生の時もこのくらいの猛暑だったのかもしれないが、それを超越した楽しさがあったからな、全部帳消しになってたんだろうな。

 ああ、本当に何をすればいいのやら。社会人としてやることはきっとたくさんあるんだろうが、おれ本人として果たしてそれが本当にやりたいことなのかと自問する日々が続いているのだ。本当にこのまま何年も経ってしまうのか。今の仕事場には少なくとも3年はいたいと思っている。それがおれ自身のけじめってやつだからだ。今まで楽をしてきた分のね。大学が4年だからそれでも1年足りないが、まあこの際いいだろう。あとちょど1年半ってところか。それまでに何か自分が社会的に有利になるもんを獲得していれば幸いだがな。

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