第二回 週間・少年ジャンプと鈴置洋孝さん

 私は、昔からお腹を壊す。

 軽い普通ならいいのだが、たまにかなりの痛みがやってくる。私は『ケンシロウ』とよんでいる。

あの北斗の拳・主人公、ケンシロウから名付けた腹痛の名だ。

 アニメや原作と違い、とても厄介で迷惑な『ケンシロウ』

 名前はかっこいいが、なにせ腹痛である。

 腹痛に名前をつけるのはどうかと思うし、元祖・ケンシロウも迷惑だと思うだろうが、腹痛は容赦なく、私のお腹を刺激する。

「アタタタタタ……!」

 もうおわかりだろうか? そう、痛いときに口に出てしまう声が、ケンシロウが技を繰り出すときの声となるのだ。


 本題に入るとしよう。

 北斗の拳にも関することなのだが、私が社会人となったときは、まだ週間少年ジャンプは本屋でさくっと立ち読みできた。

発売日の月曜日は、本屋で週間少年ジャンプを立ち読みするという、本屋にとっては「買えよ!」的な客だっただろう。

 当時、連載していた漫画にキャプテン翼と、聖闘士星矢があり、アニメと同時進行していた。原作の方は一歩前に行っていたので、アニメの続きが気になる私は原作で確認していたのだ。

 ある意味ネタバレだが、アニメはヒットしていた。

 そんななかに、北斗の拳もあった。

 それほど推しではなかったが、北斗の拳もジョジョの……も読んでいた。

 ジョジョはまだアニメになったいなかったが、『キャプテン翼』『聖闘士星矢』『北斗の拳』はリアルでアニメ放送中で、『キャプテン翼』などは当時は原作もアニメもまだ中学生編。ついに決勝で宿命のライバル対決という回である。

 このC翼で、推しになった声優さんがいる。聖闘士星矢にもレギュラーキャラ・紫龍の声を担当され、C翼サイン会にてサインを貰いにいったほどだ。

 その声優さんの名前を、鈴置洋孝さんという。

 北斗の拳に話を戻すが――、そこに登場するキャラ、シャチが妙に推しになった。

 アニメはほとんど見ていなかったので、内容は把握できていなかったのが、新キャラらしいということはわかった。

 アニメ化されている場合、私の頭の中では立ち読みしながらその声が再現される。北斗の拳はアニメはほとんど見ていなかったこともあり、ケンシロウ役の神谷明さんのみ、頭に再現できなかったのだが、私は新キャラに勝手に鈴置さんの声をあてて読んでいた。

 それなら何日かして、なにを思ったのかアニメ・北斗の拳を見た。

 どこかで見たようなシーンが映し出され、あの推しキャラが出て来た。

 原作よりアニメが遅れるのはいつものことなので驚かなかったが、その推しキャラが声を放った途端、椅子から落ちそうになった。

 なんと、本屋にて私が勝手に声を当て、想像しながら読んでいたとおりの鈴置さんの声だったのだ。

 どこかで担当声優の広告か何かみたんじゃない?と思われるだろうが、その記憶はない。 鈴置洋孝はお亡くなりになられもうお声は聞けないが。

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