第13話「楊貴妃のアフタヌーンティー」ー2
昨晩、両親と強羅に送られて、無事帰宅した妃美子は、楊華と貴衣にグループLINEを送った。
―― 今、家に着いたよ。2人とも、心配かけてゴメンね。2人が助けに来てくれた時、本当に嬉しかった。本当にありがとう! 2人とも、大好き! 明日の昼休み、2人に、今まで隠していたことを打ち明けたいんだけど、予定大丈夫かな?
即、既読マークが付き、OKの返事が届いた。そして……
―― 準備は、私たちに任せて!
との、謎の返事に妃美子はどう返事をして良いか解らず、訊いて良いものかどうか逡巡しながら、この数週間、溜まりに溜まった心労、恐怖……そして、安堵感からそのまま朝まで眠ってしまったのだった。
「す……すごいね……これ、2人が用意してくれたの?」
「そうよ! 食事関係は私の方で、調度品関係は楊華の方で用意してもらったの」
そう言って、貴衣は、アールグレイを一口口に含んだ。その優雅な所作に、今更ながら妃美子は貴衣が醸し出す気品に圧倒された。
「まあ、準備も整ったところだし、『楊貴妃のアフタヌーンティー@玄宗学園高校』を始めましょ!」
楊華が言うと、アフタヌーンティータイムの開始の合図のように、妃美子のお腹の虫が盛大に鳴いた。
「ごめん……昨日、疲れて、2人にLINEした後、寝落ちしちゃって……今朝、寝坊しちゃったから朝ごはん食べてないの」
妃美子が、赤面しながら、てへぺろっと舌を出すと、2人は爆笑し、
「畏まって話すのもなんだし、食べながら話そっかっ!」
と、楊華が言った。
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