第45話 勉強合宿?
終業式も終わり、私たちは屋上に集合していた。
「で、焚翔と詩ちゃんは終業式にも出ないでなぁにしてたのかな?」
「サボりだけど?」
「"サボりだけど?"じゃなくて!何してんだよ!」
「いいだろ?明日から1週間会えねぇんだから」
「俺だってサボりたかった!!」
「どんなわがままなんだよ…」
「そうですよ、蒼也兄さん!独り身だからって…」
「きーこーえーなーいー!!!」
「全く蒼也兄さんは…」
「ところで、なんでここに集合したんですか?」
「あ、そうそう!夏休みのことで!」
「何かあったんですか?」
「実はこの6人で…泊まりに行かない!?」
「「は!?」」
水元先輩の突然の話に全員が驚いていた。
「い、いきなりすぎませんか!?」
「昨日決まったー!」
「蒼也兄さんはいつもそうですよねー。みんなの予定もちゃんと聞いてくださいよ。」
「だから、今こうして集まってもらって聞いてるんじゃん??」
「もう…」
「ところで、どこに泊まりに行くんですか?」
「俺ん家の別荘に!」
「別荘??」
「そう!もちろん詩ちゃんが遊びに行けるようになってからね!」
「蒼也兄さん。ちゃんと勉強もしてくださいね?」
「えー!?」
「由莉。勉強会も含めたお泊まり会にすればいいんじゃないかな?」
「そうですね、みんなで勉強もしましょう」
「…いやだ。」
「いいじゃないですか!で、いつからですか?」
「みんなでさ、出かけるじゃん?その次の日からとかどう?」
「いいんじゃね?」
「私も、楽しそうだからいいですよ!」
一応その場にいた全員が同意してまた夏休みの予定が決まった。
みんなと別れて今は焚翔に送って貰っている。
「また楽しみが増えたね!」
「そうだな。」
「明日から会えないけど、連絡はするね!」
「ん。夜は電話したい。」
「もちろんいいよ!私も焚翔の声聞きたくなるから!」
焚翔は嬉しそうに私のことをギュッと抱きしめて、頭をポンポンして。
「めっちゃ好き」
「私は大好き!」
焚翔の言葉に一瞬驚いたが、私の方が好きという意味を込めて返事をした。
「じゃあ…またな」
「うん、またね!いい夏休みにしようね!」
焚翔は少し寂しそうな顔をしたけど、私が"夏休みのデート楽しみにしてるね?"というと、嬉しそうに帰って行った。
あるはずの無い尻尾をブンブン振っているように見えて。
「大型犬…」
と呟いてしまった。
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