第44話 初サボり

あれから更に時間が経ち、今日は終業式。

明日からは夏休みだ☆


「咲枝は部活いつから?」


「夏休みに入ってすぐだよ…」


「ってことは?」


「あーしーたっ」


「あー…頑張れ!」


「どうせ詩は八神先輩とデートなんでしょ!」


「ん?1週間は会わないよ??」


「「え!?」」


「会わないんですか!?」


「うん、お泊まりに関して親から条件出されちゃったんだよね…」


「条件って?」


「夏休み入って1週間は"宿題とか勉強すること"って言われちゃったんだよねー。まぁ頑張ればそれ以降は楽しい時間が待ってるからね!」


「なるほど。でも、1週間でいいんですね」


「うん。"勉強も大事だけど大事な高校生活なんだから楽しまなきゃ"って言ってくれたから!」


「詩の両親って良い人だね!」


「恵まれてるなぁって思うよ!」


「でも、いいなぁ…」


「咲枝だって椿木部長と毎日会えるでしょ?」


「そうなんだけどさぁ…いいなぁ。」


そんな話をしていると、担任が来て体育館に移動することに。


向かっている途中で、誰かに手を引っ張られてその方向を見ると焚翔がいた


「詩。」


「え、焚翔?どうしたの?」


「終業式なんて面倒臭いからサボろうぜ?」


「えー?」


「いいじゃんっ行くぞ」


「はぁい」


焚翔と一緒にいられるのが嬉しくて人生初のサボりをすることに。


「やっぱサボるなら屋上だよな」


「私、サボるなんて初めてですよ!」


「俺の彼女の特権?」


「特権がサボりってなんですか?(笑)」


「いいだろ?俺と一緒にいられるんだから!」


「まぁ、正直。かなり嬉しいですけど!」


「だろ?じゃあ、いいじゃん?」


「そうですねっ」


「詩、ここおいで?」


焚翔は座っている自分の足の間に来るように私に促してきたから素直に座った。


「いつも6人でいるからこういう事、学校じゃできないだろ?」


「そうだけど、そもそも学校でここまでイチャイチャする?」


「いつもはしないけど、明日から1週間は会えないだろ

?」


「うん」


「だから1週間分の詩を補給してんの」


「どういう事?(笑)」


「今日、充電して乗り切るんだよ。」


「そんな大袈裟なっ」


「俺にとっては大事なことなのっ」


「私も、焚翔に会えないの寂しいよ?でもね、その後は毎日でも会えるじゃん?」


「まぁ、そうなんだけどさぁ…」


「いっぱいデートしようね?」


「するっ」


「と言うか、今日は甘えん坊さんなんだね!」


「俺だって甘えたくなる時あるんだよ。」


「わかってるよ!可愛いから何でも許せちゃう!」


そんな感じで終業式の間ずっと2人で屋上に居て、終わってみんなが教室に戻っているところで、私たちもそれぞれの教室へと戻った。


まぁ、案の定。由莉と咲枝、担任から怒られたのは言うまでもない、





.

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