第21話 ポジティブ

翌日、私は由莉と咲枝と遊ぶ予定があったので昨日の出来事を相談することにした。


「そんなことがあったんですか?」


「そう…あれってどういうことだと思う?」


「んー…それはもう先輩が"詩のことが好き"ってことじゃないかな?」


「そう…なのかな?」


「もうそれしかないと思いますよ?」


「んー…」


「もう告白したらいいんじゃない?」


「でも、元カノさんのこともあるし…」


「それでも詩のこと気にかけたり、お母さんへのプレゼントの買い物に付き合わせたりしてるってことは…前に進んでるんじゃない?」


「うーん…」


「それなら蒼也兄さんにお願いして聞いてみますか?」


「いいの!?」


「はい。ただ、八神先輩が話してくれるかは分かりませんが…」


「…いや、やっぱり遠慮しとく!」


「「え?」」


「私、タイミングを見て告白する!」


「いいんですか?」


「うん!当たって砕けろ!ってやつだよ!」


「さすが詩…」


「ポジティブ過ぎますよ…」


「でも、どのタイミングがいいのかな…やっぱり定番の体育館裏とか?誰もいない教室とか?」


「それかまたみんなで遊びに行ってその帰りに告白とか?」


「いずれにせよ何か良いシチュエーションがあればいいんですが…」


「うーん…どこか行く予定立てる?」


「どこ行く?」


「「「…」」」


「高校生で行けるのって時間も場所も限られてきますよね?」


「そうだよねー…」


「みんなで海とか行く?そろそろ良い時期になてくるし!」


「楽しそう!前に水元先輩行きたいって言ってたし、入れなくても海辺の散歩とか出来るもんね!」


「きっと蒼也兄さんも喜びます!」


「じゃあ海行こう!近いから歩いても行けるしね!」


私たちは近々海に行こうと話して"明日にでも先輩たちに提案してみよう"と計画を立てた。


「それにしても八神先輩、急に大胆なことしますね。」


「急すぎてあの時はびっくりしたよ!」


「実は八神先輩って…結構、行動的?」


「そうなのかな?」


「そうですよ。じゃなかったら詩のこと気にかけたりしないと思いますよ?」


「詩!一ノ宮先輩より先に八神先輩をゲットするんだよ!」


「え!?あ、はい?」


「と、とりあえず。私たちは詩の恋の行方を応援してます!」


「ありがとう!頑張ってみる!」


「その調子!」


「でも、ダメだったら慰めてよね!」


なんてことを言いながら、大まかに海へ行く計画を立てて解散した。





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