第22話 俺、可愛い☆
さらに翌日、私が登校すると今度は下駄箱にたくさんのゴミが入っていた
「また幼稚な…よくこんなに集めてくるよねっ」
私はそうぶつぶつ言いながらゴミ箱に捨てた。
「詩、おはようございます」
「おはよー!」
「由莉、咲枝。おはようっ」
「何してたの?」
「また幼稚な嫌がらせされてたから処理したとこ!」
「またですか…」
「懲りないねー…」
「こんなことして嫌われるって思わないのかな?」
「きっとわからないからこんな幼稚なことしてくるんでしょうね…」
「もしかしてこれが毎日続くの?」
「うわぁ…詩。どんまい!」
「他人事だと思って…」
私たちはそんな話をしながら教室に向かった。
教室に着いてしばらくすると、水元先輩がやってきた。
「由莉ー!」
「蒼也兄さん、なんですか?」
「今日のお昼、屋上来て!あ、詩ちゃんと咲枝ちゃんもね!」
「なんでですか?」
「みんなでお昼食べようぜ☆」
水元先輩はウィンクしながら親指を立ててそう言ってきた。
「蒼也兄さん…なんですかそれ。」
「え?可愛いだろ、俺!」
「はぁ…」
「なんでため息つくんだよ!」
「いや、私にそれやられてもなんとも思わないのですが…」
「…」
「み、水元先輩!今の可愛かったですよ!」
「詩の言う通りです!可愛かったです!」
「うー…詩ちゃん、咲枝ちゃん。ありがとう!!」
水元先輩は嬉しそうにブンブン手を振って教室を出ていった。
「詩も咲枝も気を使わなくていいんですよ?」
「そうでもしないと後々、大変かと思って。」
「うん。だから詩に合わせてみた!」
「2人とも、蒼也兄さんの扱いがわかってきてますね」
「さすがにわかるよ!」
水元先輩の話で盛り上がっていると担任が入ってきたから"また後で"と言って終わらせた。
それから何事もなく過ごし、水元先輩と約束したお昼になったから屋上にお弁当を持って3人で向かった。
「蒼也兄さん!」
「おう、由莉!」
「八神先輩、吉川先輩こんにちは!」
「ん…」
「こんにちは。葉山さん、香坂さん」
私たちは何故か自然に由莉と吉川先輩、咲枝と水元先輩、私と八神先輩で座った。
「ところで蒼也兄さん、なんで私たちのこと誘ったんですか?」
「ん?なんかいつも一緒に帰ってるじゃん?それが当たり前になって会えない時間が寂しくなっちゃったから呼んだ☆」
また水元先輩は朝と同様に可愛らしくウィンクした。
「蒼也…」
「なんだ焚翔?俺、可愛いだろ??」
「いや…キモいから止めろ」
「なっ!キモいって…詩ちゃんと咲枝ちゃんは可愛いって言ってくれたのに…」
「え、お前そんなこと言ったの?」
「あ、はいっ」
「あれが可愛いのか?」
「…」
「え!?詩ちゃん!?」
「まぁまぁ…ですかね?(笑)」
そう言うと水元先輩はしょんぼりして口を尖らせ拗ねていた。
「葉山」
「なんですか?」
「この前のプレゼントなんだけどな」
「あ、はい。どうでした?」
「めっちゃ喜んでた」
「それは良かったです!」
「で、母さんが葉山にお礼したいって言っててな。空いてる日あるか?」
「え?そんなっお礼なんてされるようなことしてませんよ!」
「遠慮すんなよ。いつがいい?」
「えー…私、結構いつでも空いてるんですよね。なので、先輩のお母さんの都合に合わせます!」
「じゃあ、明日は?」
「大丈夫です!」
「決まりな。明日の帰り教室にいろよ」
「はい!」
先輩とそんな約束をしてお昼は過ぎ、今日も帰りはみんなで帰って先輩が家まで送ってくれた。
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