ヤンキー彼氏は素直じゃない

第16話 宣戦布告

翌日、昨日のことを由莉と咲枝に話した。

｢蒼也兄さん。あんなに言うなって言っておきながら自分から話しちゃったんですね。｣

｢でも、そっかー…先輩の彼女さん病気で…｣

｢うん。でも、私が気になってるの知ったからってなんで教えてくれたんだろう…｣

｢そこは気になりますよね…。｣

そんな話をしていると、教室に先輩らしき女性が入ってきた

｢葉山詩ってどの子？｣

｢あ、私ですけど…｣

｢ふーん、あんたが。｣

｢あ、あの…｣

｢焚翔は私の男なの。優しくされたからって調子に乗んなよ｣

｢…｣

その先輩は私をジロジロ見てから勝ち誇ったかのようにそう言って出ていった。

｢え？何あれ？｣

｢随分と偉そうですね。｣

｢あの人…前にぶつかった人…だよね？｣

｢そういえば似てますね。｣

｢八神先輩、彼女いないって言ってたけど…どういうことだろう？｣

｢…あ！！！｣

｢え！？な、なに！？｣

｢あの先輩…八神先輩のファンクラブの人で、目を付けられたらヤバいって言った先輩だよ｣

｢え？ってことは…私、目をつけられちゃったの？｣

｢かもしれないね…｣

｢大変なことになりそうですね…｣

私たちはため息をついてどうしようかと話し合うことにした。

その結果、八神先輩には話さないこと。もしものことがあればまずは水元先輩に話すこと。

あと、できるだけ八神先輩と関わるのをしばらくは控えること。

｢八神先輩には悪いけど、仕方ないよね｣

｢まぁ、詩が八神先輩の彼女になったら話は変わってきますけどね。｣

｢昨日の今日で彼女になりたいなんて言えるわけないよー！｣

｢彼女さん亡くなってるって聞いたらね…｣

そんな話をしていると担任が入ってきたので、話を中断した。

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