第四話 現実と遊戯の区別はつけてくれ
『
それは、僕の妻である
「囲碁とか六博とかやり方わかりにくいわ。足して二で割って色々付け足しましょう」という
自分の
これは、近所の学習所にも受け入れられ、僕の周りではちょっとした流行を呼んでいた。
呼んでいたが、あくまで遊戯である。
邪神を倒したのも魔物を倒したのも仙術が使えるのも、遊戯の中の
それでなんで
「いや、しかし、書物屋にはこのようなものが」
渡された竹簡は、とても見覚えのあるモノ。『
「ここに、確かに殿下の名前が」
「あー!
そうだね。それで何回も生き残ってるね、君(の
そして生活の足しに記録を売っていたね僕ら。結構売れたよね。そりゃ勘違いされてもおかしくない。いやおかしいだろ。
「とにかく! 私は別に邪神も魔物も倒してませんし、仙術も使えませんから!」
「もう皇帝を廃することは決まっていますので、どうか」
「早過ぎない!? まだ一ヶ月も経ってないわよね即位してから!?」
本当に早い。そして最早敬語をぶん投げた
「今上陛下は、そこまでの不祥事を引き起こしたのですか?」
恐る恐る僕が尋ねると、そうですね、と藍大将軍が言う。
「深酒して汚物を撒き散らすわ、そこらで女子をつかまえて酒池肉林するわ、色々ですな」
噂以上の酒癖と女癖の酷さだ。
「その後片付けに追われ、火急の案件が全く片付かず、会議も遅れております……」
「そ、それは……かなり大変ね」
よく見れば疲労のせいなのか、藍大将軍には、目の下に隈ができていた。キレていた
「……とんでもないことを言ってる自覚はあるけど、あえて尋ねるわ。あなたがやっちゃダメなの? 皇帝」
「……本当にとんでもないことを仰いますな」
藍大将軍は、目を丸くしている。
「黄河国を建国した初代皇帝も、滅んだ紅河国皇帝の部下だったのでしょう? 血筋はどうとでも出来るはずよ」
「その為に、多くの血が流れたとしてもですか」
藍大将軍が、厳しい声で言い放つ。
暫く考えたのち、
「……条件があるわ」
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