第213話 反撃
大歓声の中、二人は睨み合い動かない、北岡は大きく呼吸を整えた、立ったとしても、一ノ瀬は、コピーしている打撃しか使えないと考えていた。
(打撃は、俺のをコピーしていても問題ない、冷静に対処すれば負ける相手じゃない、)
一ノ瀬、手を顔にやり、鼻血が出ていることに気づいた。
ニヤリと笑う。
(せっかくだ、度肝を抜いてやるか)
一ノ瀬は、何度か軽くその場でジャンプをし、独特なフットワークを見せる。
その足を交差させるような独特なフットワーク、手を回しながら、距離を測る。
ライジング・レオは目を見開く、それは、メリッサも同じだった。
「あのフットワーク」
「『レオ・ステップ』だよね」
レオ・ステップはただの見せ技ではない、実際は手を回し、独特の足捌きで相手が距離感を測りづらくする。
フットワーク。
一ノ瀬は意味は知らなくても、その効果、やりづらさは北岡は感じた。
(隠し手があるのか)
北岡は、無理に間合いを詰めずに様子を見ることにする。
一ノ瀬は、気づいたら間に入っていた、そして、そこから身体を反転させて、ローリングソバットを行う。
初動作の隙をフットワークが隠し、尚且つ予想外の攻撃に北岡は対処できず、腹部に直撃を受ける。
一ノ瀬はまた少し距離を取り、北岡の反撃のミドルキックが空を切る。
距離感が合わない。
一ノ瀬は、今度はおもむろにロープに走り出し、ロープの反動を利用し、北岡に向かって走る。
そして、フライングクロスチョップを敢行。
流石に、隙だらけの攻撃に北岡は難なく避ける、しかし、突然の攻撃スタイルの変化に動揺する。
(覚えた攻撃は、数日で忘れるんじゃなかったのか、この動きは、プロレスだよな)
驚いたのは、神田も同じだった、この大会の為にあらかじめいくつかの試合を観て学ばそうとしたが、一ノ瀬は拒否していた。
理由は、沢山観ても覚えられるのは限られているし、興味ないのは、観ても吸収できないと、語っていた。
(あの野郎、どこでコピーしたんだ、だが、これで少し反撃の目が出てきたな)
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