第205話 攻略法
ゴングがなり、一ノ瀬は気だるそうな態度を辞めて、腰を落としてレスリングの様な姿勢をとり、両手は頭の付近に備え構えを見せる。
初めから飛ばして行ってもよいが、せっかく大金を貰えるのだ、少しくらいはお客さんを楽しませてもいいだろうと考えていた。
負ける理由はない、一ノ瀬は誰に対してもその気持ちは揺るがなかった、それが、オリンピック選手だろうと裏の伝説の格闘家であろうと。
北岡は、少しフットワークをその場でし、アップライトに、構え小刻みに距離を詰める。
構えてわかるが、やはり欠損している部位はガードがガラ空き、容易に攻められる弱点に思われた。
北岡は、頭の中で、セコンドのサモ・ハン立てた戦略を、思い出す。
サモ・ハンの考えた戦略、それは、一ノ瀬の稚拙な防御テクニックだった。
一ノ瀬の腕力と打たれ強さは、天下一品だ、その為、防御テクニックが余りにも低い。
そもそも、防御する意味がないからだ。
しかし、そこが穴でもあるとサモ・ハンは考えた、打たれ強いとう壁を打ち破る為に、色々な技やテクニックを使えば、一ノ瀬はそれをコピーし、反撃をする。
大技で倒す必要はない、サモ・ハンの考えた一手それは、ローキックであった。
キックボクシング、ムエタイの基本であり、強い武器になるローキック。
カットすら出来ない一ノ瀬は、まさにサンドバッグ、幾ら打たれ強くても、その巨体を支える脚が耐えれなく成る程、蹴り続ければ、どんな攻撃も行えない、そして、いつかは倒れると考えていた。
コピーする技も、ローキックのみ、キックを主体で戦う北岡にとっては、躱す事も捌く事も容易である。
コピー出来る技が基本的な技では、その能力の価値も低い、それが勝ち筋であった。
北岡は、自身のローキックの間合いに入った。
瞬間、右のローキックで一ノ瀬の、左太腿を蹴り上げる。
防御が全く出来ず直撃、素早くバックステップで間を外す。
一ノ瀬はニヤリと笑い効いてないアピールをするが、北岡は気にしていない。
喧嘩屋と隻腕の格闘家という異色の組み合わせは、オーソドックスな始まるを見せる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます