試合の合間で
第190話 発表
巌流島特製リング
スーツ姿の比嘉秦王は、1人リングに立ち、マイクを握っている。
あえて付き人の前田をフリーにし、会場の警備を任せる事にした、今は自分の部下の前田たが元々はチーホイの配下であり、その上位でもあるチーホイ子供達の1人。
前田が裏切るなら最適なタイミングだと思ったからだ。
(裏切るなら今だな、ここで本当に俺の元にきた初めの任務を遂行するつもりなら裏切りはない)
賭けに出た前田は、目の前とテレビ越しの観客に話を始める。
大会の感想と選手を称える言葉の後に、一度深呼吸し、重要な発表を行う。
本当は、一回戦終わりで発表するつもりだったがこのタイミングでも問題ないと判断する。
「このバベルトーナメントは、二回戦までは、今日行うが、準決勝、決勝戦は別日で行う事は、周知しております、今その日程を発表します。日は明後日、そして、試合場所は沖縄」
会場がザワメク、ワンデートーナメントではないが、中二日でダメージは抜けは厳しい、皆、準決勝、決勝は最低1ヶ月程空くのではないかと予想していたからだ。
「準決勝は、沖縄空手会館、決勝は首里城正殿にて行います」
比嘉秦王の故郷でもある沖縄、バベルの最終戦の場所を伝えた。
興行的には失敗する可能性が高いが、それには大きな理由がある。
一つは、期間を空ける間、本戦に残っている選手の身の安全、長く期間を空ければ空けるほど、邪魔が入る。
身内を狙われれば、精神的に疲弊させられれば、万全では戦えない。
もう一つは、側近の前田だ、本名もわからないチーホイの配下、大会の成功の為、交換条件で手を借りているが大会が始まった今、いつ戻るかもわからない、しかも、そのタイミングはもしかしたら今かもしれない。
問題は一つずつ、処理しなければな
秦王は、静かに微笑む。
戦うだけに集中できれば楽だろうが、立場上そうはいかない。
秦王は、リングから降りず、そのまま、次の試合の選手の呼び出しのコールを行う。
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