第137話 控室 その2

 合気道着に、金髪の長髪を後で固めている工藤純に同じ合気道着の赤井梓。


 梓は、緊張をしているようだ、自分の友人が参加するトーナメント、勿論、甘い考えは、無かったのだが、第一試合と第ニ試合の戦いは、想像していた以上の物であったからだ。


 そして、裏のAブロックと同等にBブロックでもその熱気は身を焦がす思いだった。


 「純は、あの2人を投げ飛ばせる」


 あの2人とは、今モニター越しでみているレオと天空である。

 純は、問題ない事を伝える。


 純の対戦相手の、鞍馬は純よりも一回りも大きい、筋肉も比較にはならない。

 

 戦う前から恐ろしい予感が頭を過る梓は、首にかけているタオルを強く握る。



 「心配するなよ、アズアズ、確かに俺の相手は大きくて怖そうだけど、そんな相手を合気道で倒す、それこそ、護身だ」



 「それに、俺達はもっと恐ろしい事を知ってるはずだろ」


 純は、梓の緊張をほぐすように笑いかける、戦いの時は、近づいている。


 恐ろしくない訳はない、恐怖も、不安もある、だからこそ、証明したいと工藤純は力強く思う。


 合気で、腕力や体格が劣る者を倒せる事を。



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