第131話 男の花道

 一万人規模の会場、現地で行われる試合は3試合、他の試合は大型モニターで観戦になるのだが空席は見当たらない。


 大会前に、選手変更があったが、観客のテンションは試合前から最高潮であった。


 ライジング・レオ

 年齢不詳、出身地不詳。

 シン・プロレスのエースにしてチャンピオン、大きなリーグ戦も制覇し、王者で覇者の唯一無二の存在、初代ライジング・レオからマスクを助かれ、十年、プロレス界では知らない者はいない。


 その男が、今花道から、白いロングコートに獅子を模したマスク、口元は開きその口は笑みを浮かべていた。


 プロレスはインチキ。

 プロレスは八百長。


 そんな世間の声も最近は、聞かない、そもそもプロレス自体世間は知らない、興味がないのだ。

 

 シンプロレスは、プロレス界では世界興行2位であり、メキシコ、アメリカでも高い知名度を誇り、選手も海外の方が認知度も人気も高い。

 興行があればニュースで取り上げられる程、しかし、国内での人気は一部のファンがいるのみ、テレビで取り上げられる事など皆無。


 国内と国外での知名度、人気の差は、驚くほど離れていた

 

 熱狂の中花道をあるくレオは思う。


 プロレス界を盛り上げるには、必勝それだけだ、世間にもう一部プロレスの素晴らしいさをを知ってもらいたい、その思いだ。



 先に、入場していた、天空はレオの姿に魅入る。

 セコンドの真田は天空に話しかける。


 「正直、対戦相手が変わって俺は良かったと思っている」


 天空は、視線を真田に向ける。

 「横綱相手なら、お前は本気で戦えないと俺は思っていたからな」


 「そんな事はない」


 「嫌、無意識に心にブレーキがかかるもんだよ、それに横綱を倒しての出場なら、お前も心にスジガネがはいるだろ」


 天空は回しをつけ、髷を結っている、まだ、十代の彼だか、その強者のオーラにファンの期待値も高まっていた。


 レオがリングに入る、レオのセコンドには、メリッサが入っていた。

 本音なら付き人の山田が入るはずだが、メリッサの強い希望でメリッサが入る事となった。


 ライジング・レオ、常磐天空お互い睨み合い、試合開始の合図を待つ。

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