第125話 レオステップ
大竜関は、右手で強く握りレオの腕を握り、空いた左手で張り手を顔面にぶちかまます。
大きい破裂音とともにレオはふらつく。
しかし、タウンはしない。
歯を食いしばりこらえる。
そして、レオは、フットワークを使い、横綱の周りを射程内ギリギリで回る、手を回しながら、独特な足遣い距離を保つ。
初代から継承されたレオステップである。
相撲ではない独特の間合い、動きに合わせて体重を移動させる必要があり、それは膝に負担をかけてしまう。
(やりづらいな)
横綱と親方が懸念していた足を使った戦法、なんでもありなのだ、不満をいうつもりはない。
(狙いは右膝だろう)
右膝に攻撃がきたら掴むつもりだ、さっきも掴めた問題はない、しかし、レオの攻撃は右腕ではなく、左の膝に繰り出される。
ローキック。
ワンテンポ遅れてしまい、掴む事は出来ない、レオは直ぐに射程外へと距離を取る。
しかし、直ぐ様また、一直線に、レオは向かってくる。
目線を下に向けていた、横綱に跳び膝蹴りがクリーンヒットする。
レオの攻撃がきれいに決まっているが、レオの身体からは冷や汗が流れた。
確実にベストなタイミングで技が決まっている、しかし、横綱は倒れるどころか片膝すらつかない、そのまるで巨木の様な力強さに圧倒されていたからだ。
(さっき掴まれた時も、打撃じゃなく折りにいかれてたらやばかったな、掴みが浅かったのは幸運だった)
レオは、ヒットアンドウェイを考えるがそれじゃだめだと自分に言い聞かせる。
(それじゃあ、俺の思う勝利じゃない、横綱を納得させる勝ち方じゃないと)
横綱も久しぶりに鼻から出た自分の血を見て、滾る自分にほくそ笑む。
(捕まえれば、勝てる、この滾りは久しぶりだな)
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