第122話 なんでもあり。
やっとやる気になったか、呼吸を整え、横綱大竜関に意識を集中する。
「どうする、そっちに合わせて相撲で白黒つけてもいいんだが」
「何を眠たい事を言っている、『喧嘩』をふっかけてきたのはそっちだろう、『なんでもあり』に決まっている」
横綱は、そう言い終わると同時に強く地面を蹴り、その勢いのまま、弾丸となり、その巨体をレオにぶつける。
まるで交通事故のような衝撃音と共にレオの肉体は後方に吹き飛び、レオは、後方に止めてあった車に、ぶつかりボンネットが破損し、車から警報音が鳴り響く。
普通なら終わりと思うが、レオは意識を失っておらず、天を仰ぐ。
(車とぶつかった様な衝撃だな、車の衝撃なら耐えられる)
レオはゆっくりと立ち上がる。
(当たった感触が弱いのに、後ろに飛びすぎてる、喰らった瞬間後方に飛んだのか)
横綱は、口元が緩む。
横綱のブチかましを喰らい立ち上がる、横綱にとっても始めての経験。
身体の痛みはあるが、レオは攻撃に転ずる。
大きく手を振りかぶり、今度はレオが地面を蹴る、その力は真っ直ぐではなく、上に向かう。
空を舞ったレオは、身体を畳む予備動作を見せる、誰でも知っているプロレス技『ドロップキック』の予備動作だ。
食らっても構わなかったが、レオは安全靴を着用している、当たりどころが悪ければダメージになるそう思い、手で顔を守る。
腕に衝撃が来ると思うが、痛みは別の所に。
『右膝』
200キロを支える膝が悲鳴を上げる。
低空ドロップキック、レオは頭部ではなく地面スレスレで横綱の膝を狙った。
膝の痛みはあるが、膝はつかない、膝をつくそれは横綱のプライドが許さなかった。
レオは、手を手刀にし逆水平で首元を狙う。
その逆水平は横綱の首もとに直撃する。
しかし、横綱もただやられている訳にはいかない、その手を掴み握り返す。
横綱の眼は闘志で燃えていた。
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