前日譚 選手会見
第118話 記者会見の裏で
本戦の二日前に、都内のホテルにバベルトーナメントの選手セコンドが集められ、選手会見が開かれる事が急遽決定された。
比嘉秦王は、リスクが高いと始めはその提案を却下したのだが、記者の一人から、地上波の放送の『尺』と、選手達の知名度の差を考え、記者会見は必要と説得した。
前田も、裏の選手は、表の選手を知っているが反対に、表の選手は殆どは裏の選手を知らない、不公平差を無くすために、ある程度の接触は必要と考えていた為、比嘉に記者会見を開く事を決めた。
選手会見と言ってもAブロックの選手4名と山本も不参加の為、少し人数を欠いた会見となった。
生放送の時間となり、選手は、マスコミの集まる会見場に案内された。
司会の席について、比嘉は、人数が少ない事に気づき、秘書に耳打ちをし、少ない理由を尋ねる。
「何かトラブルがあったか」
聞かれた秘書は、何があったかわからない為、その場を離れ確認する為に、選手控室に足を進めた。
記者会見場、地下駐車場─
渦中の人である、横綱・大龍関がある男と対面していた。
「そこを退いてくれないか、予定より時間が押してしまいタダでさえ遅刻なんでね」
長髪に、切れ目の男は、不敵な笑みを見せる。
「あんたは、遅刻じゃなくて欠席だ、空いた席には俺が入らせてもらう」
そう言って男は、手に持ったマスクを身につける、マスクをつけ、紐を後ろ手で座る。
先程までは、謎の男だったが、大龍関もそのマスク姿で直ぐに誰かわかった。
「ライジング・レオ」
二代目の事はあまり知られていないが、初代は有名で国民の殆どが知っていたと言っても過言ではないレジェンドレスラー。
大龍関は、直ぐにライジング・レオの意図を知り、自然と身体に力が入る。
誰も知らない、地下駐車場で本戦のチケットを奪い取る為、ライジング・レオは最後の手段に打って出た。
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