超人 〜サーカス〜

第80話 花形 前編

 エンポリオサーカス、世界一のサーカスとして、各国の一流が集まるサーカス。


 そのサーカスでトップを努める空中ブランコのスーパースター。


 花形広夢。


 端正でありながら少し濃いめ顔立ちに、一流の雰囲気に、白い歯を見せる笑顔は、全ての人を魅力するには十分な魅力であった。


 そんな彼の空中ブランコは、異次元としか形容し難いものでありもし、彼は空を飛べると言われてもみんな納得するだろう。


 彼は、マスコミに露出する時にはいつも同じような事を話す。


 「自分は幼い頃に地球に来た宇宙人で、別の星から地球に来ました」


 そんなジョークも彼が言うと本当に思える、実力、能力が彼にはあった。


 そんな、彼は日本に来た時、約二ヶ月に一度に大事にしている事がある、それは、家族との時間であった。


 都内にある、三星ホテル、彼は日本に滞在する時に使用するホテルであり、このホテルで家族との時間を過ごしている。



 広夢はハーレーで入口に取り付け、入口にいるドアマンにカギを預ける。

 デニムのジーンズに、白のTシャツ、高級ホテルに入る格好ではないが、彼の一流のオーラは、そんな事を気にさせなかった。


 特に大きな荷物はない、ホテルのエントランスホールには、大きなソファーに2人の男女が腰掛けている。


 天上院麗奈、本名黒美、諸事情から麗奈を名乗っている、そして、もう一人、柊木櫂。


 麗奈は、しっかりとドレスコードを整えていたが、櫂は普段着といった感じだが、それを咎める視線は全くないのは、彼もまた、一流のオーラがなせる業だろう。


 「オー、愛しき我が妹に弟よ、相変わらず元気そうで何よりだ」


 広夢は、大袈裟な振る舞いと大きな声で2人に、声を掛ける。


 広いホールにも響き渡る声に麗奈は、少しバツが悪そう顔を見せる。


 「ちょっと、恥ずかしいだけど」


 櫂は、周りの目を気にせず満に近づく。


 「兄さんも相変わらずそうだね」


 櫂の瞳から、普段見せない柔らかさを見せた。


 広夢は、歯を見せる程の満面の笑顔を見せ、2人を熱く抱擁する。


 「全くおおきくなって、さて、積もる話も沢山あるだろ、何時もの部屋で話をしようか」


 広夢は、そう言っては、部屋へと促す、この3人の過去とホテルでの会話はまた、次回のお話。


 

 

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