第70話 挑戦 〜レオの場合〜 その1
24時間営業のファミリーレストラン、平日の夜中一時という事もありお客はまばらで、テーブル席に数名座っている程度だ。
その中に一際目立つ、ユニコーンカラーに少しキツメのメイクの女性は、夜中というのにステーキを苛ついた様子で胃の中に肉を詰め込んでいく。
その食事とは、裏腹に引き締まった筋肉はパーカーの下に隠れているが、彼女はれっきとした戦士だ。
ファイブスタープロレスという女子プロレスの王者にしてエース、メリッサ。
もちろん、日本人だが、普段から本名は名乗らずリングネームで過ごしている。
「食べ過ぎはよくないよ」
心配して声を掛ける向かいに座る女性。
黒マスクの女性は、同じくプロレスラー、こちらはぱっと見ただの黒髪ロングマスク女子といった感じだが、リングでは口以外をマスクで隠しているマスクレスラー、アスカ。
頬張りながら、メリッサ
「これが、食べずにいられるの、『最強を決めるトーナメント』にプロレスはぶいて、同競技を二組つけてるんだよ、しかも、無名のレスリング選手を推薦して嫌がらせだよ」
「たしかに、比嘉のプロレス嫌いは有名だからね、噂じゃその無名レスリングにプロレス選手が負けたからプロレス枠なくなったって話だよ」
苛つきを水で流し込むメリッサ
「くぅーどうせなら、私が参加したいよ、私ならそこそこいい線いけると思うんだけどなぁー」
呆れた様子にみるアスカだが、内心、メリッサなら案外っていう気持ちが無いこともなかった。
そんな二人に、突然声を掛ける男性。
「やっぱり、ここだったか」
その男性は、ライジングレオだった。
同じく興業だったのと、お決まりのファミレスだったので、レオはメリッサの様子を見に来たのだ。
あの会見を見れば荒れるだろうと思って。
深夜のファミレス、まだ、話は終わらない。
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