落選者
第69話 挑戦 〜ジュンジュンの場合〜
「名前よばれなかったね、ジュンジュン」
ユーチューバーであり、護身術の使い手の工藤純のアシスタントの赤井梓は、ガッカリしたように工藤純に話かける。
当然といえば当然、参加者はメダリストやチャンピオン、はては大統領のボディガードが参加者だ、無名のユーチューバーなんて出る枠なんてある訳はないのだ。
「うん、確かにしっかり応募したのに、選考落ちしたのかな」
冷静に腕を組みをする純に、梓は落ち込みを見せていた。
「そうだよね、甘い考えだったかな、参加してもし勝ち進めば、かなりの宣伝になったと思うし、色んな人を勇気をづけれると思ったんだけどな」
落ち込む梓を純は、元気づける。
「大丈夫だよ、確かに無名で実績もない俺だけど、俺達には俺達の得意分野があるだろ」
梓は、落ち込みから少し気持ちが上を向く。
「ユーチューブ」
梓の答えに、純は笑顔を見せる。
「その通り、ユーチューブ使ってトーナメント主催者の比嘉さんに直接直訴しよう、もし、何か条件があるならそれをクリアすれば」
その答えに、梓は答える。
「参加できる」
「そうと決まれば、直ぐに撮影しよう」
純の気持ちは半分半分、強者達を相手に自分なんかが参加したら殺されるんじゃないかという気持ちと、弱いものが技をもって強者を倒すのが護身術、それが証明できる嬉しい気持ち。
(まぁ、俺の弱さは強さでもあるからな、それを武器にするだけさ)
決まらなかった者たちの挑戦は、まだ始まったばかりだ。
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