会見 その2

第66話 ルールと選手発表

 年明け、まだお正月気分が抜けていない。

 都内のホテルで、格闘関係者、マスコミが大勢集められる。


 その集めた男とは、今時の人となっている男。


 比嘉秦王、その人。


 前回は、トーナメントの発表で世間を騒がして、その第二の矢が今日、発表されるルールと第一次トーナメント出場者だ。


 比嘉秦王は、白いスーツに金に輝くサングラスをして、その表情は周りからは読めない。


 「忙し所、来ていただいた皆様、ありがとうございます」


 「今日は、バベルトーナメントの日程とルールを説明させてもらいます、調整は入るかどうかは、わかりましせんが、ほぼ確定となるでしょう」



 「まず、このトーナメントは、2日間の日程で行いたいと思います、会場は3つ、一つは、『北海刑務所』」


 会場がざわつく、まさか全国的に興味を引く試合会場が武道館やドームではなく、最北にある刑務所とは誰も思わない、しかし、その場所が意味する事はここにいる誰もが理解した。


 『鏡花帝釈が参加する』


 「あと、2つは今はまだ交渉中ですので、控えさせてもらいます」


 そして、ルールの発表となり、会場には緊張感が流れる、この会場には、参加を目論む選手の関係者もいる、ルール次第では不利、有利も生まれる、対策も必要だ。


 この会見は、全国生放送。


 相撲部屋で親方集と見ている横綱、練習の合間に会見を見るプロレスラー、滾る心を落ち着かせる為にアルコールを流し込み見る者、親友と共に集中し会見を注視するボクサー。


 各々が注目する中、ルールが説明されようとしていた。

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