第35話 デビル渡邉 その3
ライジングレオとデビル渡邉は、リングを中心とし視線を合わせながらゆっくり、リングの周りを歩いている。
呼吸があった瞬間、レオは組み付きにいくが、デビルは、目潰しで流れを掴む。
そのままの流れでメンバーをリングに入れて集団で攻撃を叩き込む。
ライジングレオも、攻撃をいくつか受けるが、タイミングを見て反撃、湧く観客に一度アピールをして一気に反撃のドラゴンスープレックスをデビルに叩き込む。
カウントが入る
「ワン」
「ツー」
デビルは動かない、勝負ありかと、思われたがリングの下からセコンドがレフリーの足を引っ張り、リングの外へ引きずり、カウントは止まった。
場内にはブーイングがなり響く。
レオは、一瞬気づかず、レフリーがいないことを知ると、リングの外へを覗き込む。
しかし、その隙を逃さずデビルはレオを後ろから攻撃し、リング外へ出す。
(よし、ここからだな)
デビルは、気持ちを入れて、体勢が崩れているレオのマスクに手を出し、力を込め、目の部分のマスクを裂きレオの左顔面が露わになる。
レフリーはまだ倒れており、反則裁定は取られない、会場のブーイングが最高潮に達する。
(いいぞ、次だ)
レオは、マスクを破られていたが、内心は喜びが占めていた。
顔を抑えるレオをデビルは、今度はコーナーポストの鉄柱部分に力強く叩きつける。
レオは、上手く掌を使い、直撃を避け、リストバンドに隠したカミソリで自ら額に傷をつける。
その動作をさっちされないように、ヒールのヨウタは自分の近くのフェンスを強く蹴り、大きな音と衝撃で観客の注意を逸らすサポートを行う。
レオの額は大きく出血しているのを観客は気づき、悲鳴を上げる。
デビルは、レオを無理やりリングに入れて、立たせてから、得意のパワーボム『ゴー・トゥ・ヘル』を叩き込んだ。
このパワーボムを外し、逆転の技で勝負を決める、それが今日の筋書き『ブック』であった。
「ワン、ツー」
カウントが進むも、レオは動かない。
デビルは、戸惑う。
カウントツーギリギリで動く力を感じがない、無理に自分から外してもよいが、万が一、パワーボムレオが意識を失っているなら、試合続行出来なければそれは悪手になる。
レオはレフリーにアイコンタクトで続行の意思を示し、レフリーも無言で承諾する。
「スリー」
カウント3つ入り、リングは落胆の声とブーイングに包まれる。
実際は、レオは意識もあり、反撃する事も出来たがあえて、負ける事を選んだ。
チャンピオンで覇者が負ける事の影響を自身の肌で感じてみたくその判断をした。
今のプロレスの世間の関心扱いを確認した時に、次の一手を考える。
それが、レオの考えであった。
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