第17話 桜 中編
常磐天空、大手企業の常磐製薬会社の三男として生を受け、優秀な2人の兄に対して天空は、特にスポーツ運動面で2人の兄を凌いでいた。
天空は、祖父とみる相撲が好きだった、正確には祖父と過ごす時間が楽しかったのだ。
祖父は、格闘技好きというのもあり、修羅天外とその弟、空の名前を合わせ『天空』とした。
「天も大きくなったら、相撲取りになるか」
祖父はそう言うとよく豪快に笑った。
いつしか天空は、相撲を始めた、才能よりも環境の面で、有利だった彼はメキメキと頭角を表し、祖父、父も通った天上院学園へと入学。
そこでまた、より己を鍛えたのだ。
将来横綱になる為に。
「常磐天空ですか」
横綱は、呟く、天空はルックスも良い体格は少し相撲取りになるには、大きい部類ではないが小兵の方が人気は出る、それに、天空は、鍛えれば高みを目指せる風格を感じていたのだ。
「そうだ、お前が部屋入りを勧め、本人も了承している」
「常磐製薬には、俺も頭を下げてるんだ、なのに、その誘った張本人が引退とはおかしいだろ」
横綱は手を組み考える、相撲の今を考えれぱ、自分が出るのが最良だと思えたし、未来を考えるなら出場を見直し、天空を鍛えるのが筋かな思えた。
そして、1つの答えにたどり着く。
「なら、本人、天空にも話をきこう」
その言葉で、とりあえず横綱引退の件は先送りにした、そして、後日、3名で会う段取りを組む事となった。
天空は、急な連絡であったが、快く受けいれる。
そして、次の日の午後、天空は、横綱の稽古場に足を踏み入れていた。
季節は空きであったが稽古場には、独特の熱気が立ち込め、天空と親方、横綱はお互い立ちながら会話を始めていた。
親方は天空に軽く挨拶から始める。
「すまないね、天空君、いきなり呼び出してしまって」
天空は、小さく頷く。
「いえ、とんでもないです、何かありましたのでしょうか」
「ちょっと意見を聞きたくてな」
言いづらそうな、親方に天空は話を切り出す。
「バベルというトーナメントですか」
天空は、反射的にそう思った各界のものでもない自分をわざわざ呼び出して相談する事などそうそうないという物あった。
天空は、記者会見の前からそのトーナメントは認識していた。
それは、1ヶ月前に学園で行われた、選抜を兼ねた、対抗の団体戦、天空は剣道との異種格闘技戦を行った。
それは、天空にとって新しい刺激にもなった、その試合を経た天空は考えを伝えた。
「横綱、大竜関は異種格闘技戦で勝つことは出来ない」
そう天空はいいきった。
横綱大竜関は、不満を顔に浮かべる、馬鹿にするなそんな表情だ。
「関取を目指す者が相撲を愚弄するのか」
天空は、まっすぐに応える。
「横綱を相手に相撲で勝てる者はまずいません、しかし、この戦いは異種格闘技戦です」
「ならどうする、相撲はこの戦いを避け、隠れろというのか」
「いえ、相撲の強さ俺に証明させてください」
横綱は、真っ直ぐ立ち上がり、天空と向かい合う、その闘気が自分の強さを証明する為に天空に向かうものであった。
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