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今日はもう帰ろう。
お店を出る時、また目の端にキラキラ光る糸のようなものが空に向かって一本、すっと伸びているのが見えた。しかし、その方に視線を送ってみると、やはりそれらしいものは何も見えない。
路地裏にあるこのお店には、夕方の陽の光は届かない。ワイヤーやガラス、ケーブルなどの光りそうなものもない。気のせいだと片付けることもできるのだが、最近、この光る糸を見かけることが増えた気がする。
とても細く、すぐに切れてしまいそうなのに、決して切れそうにないしなやかさも感じる糸。なのによく見ようとすると、空に溶けてしまう虹のような糸。
見えるのはいつも一瞬のことなのだが、こうも繰り返すと気になってきてしまう。本当に糸があるのではないだろうか。
夜、公園で 銀狐 @SilverVulpes
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