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通りを奥に入ると、目的のお店に辿り着く。


もともとイングリッシュパブだったところを居抜きで使っているというこのお店は、扉から英国の空気が漏れ出ている。こだわりをもったお店が多いこの街らしい、紅茶専門の喫茶店だ。


真っ赤に塗られた木製の扉には、ヨーロッパ風の獅子をあしらったステンドグラスが嵌めこまれ、我々を迎え入れてくれる。壁には横文字が書かれた大きな鏡がかけられ、狭いはずの店内を広げている。席につくと、吊り下げられた照明がオレンジ色の柔らかい光を放ち、暖かく包んでくれる。そんな異国情緒たっぷりな空間のため、ファンも多いらしい。


もともとは紅茶が好きな友人に連れられてこの店に来るようになったのだが、今では気がつくと一人で足を運ぶようになっていた。

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