第15話 飛べないもの

雨に濡れる街


降り出した雨に

肩を震わせながら

雨宿りをした屋根の下

腕をさすりながら

一本の煙草に火をつける


軒下に置いてある

大きな煉瓦色の鉢に植えられてある小さな木


雨宿りの私のように

蝶が水滴から逃れていた


煙を吐きながら見上げた空に

白い鳥が寂しげに空を渡った


空を飛ぶ者たちは今

何処で雨宿りをしているのであろうか


まだ冷たい雨を凌ぎながら

何処でその羽を濡らせ

休めているのだろうか


眼下では

鮮やかな色をした蝶が

その美しい羽をゆっくりと動かしている

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