第16話 通過点



ゴールデンウィーク

忙しく移動をする人々

街は眠ったように休んでいる

私の住んでいる小さな街

お疲れ様


都会から田舎へと流れていく車の列

その村へ辿り着くためには

何処から来ても

この道を通らなければならない


その道の横にポツンとある

小さな私の街


その街を横切る

大きな一本だけの道


都会の喧騒から逃れようと住んだ街で

家の前の小さな道に佇めば

向こうには山並みがはっきりと見える


その山へ入ると昔から住んでいる人の家がある

ポツリポツリと灯りがつくが

その山へ入らなければ見れない小さな灯り


時にブリキの煙突から

白煙が登る時がある


畑から帰ってきた農夫が

泥の付いた手足を洗っている姿が

映像のように眼に浮かぶ


ここは都会と村の通過点

新しく入居する人よりも

出ていく人の方が多い

小さな街

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