第5話 穏やかな日に
花弁が落ちる道を
彷徨うように歩いてみれば
いつの間に咲いたのか
既に花を散らせ
知る事のできなかった花の時間
そっと咲く花は
こちらが気づかなければ
いつの間にか消えていく存在
囁きに耳を傾けられなかった私は
花を愛する者とは言い難い
出来れば
私を振り向かせようと
叫んでくれたら良かったのにと
その自由な心で
その自由な声で
呼んで欲しかった
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