第3話 追いかける



誰かが言ったんだ

私の耳元で

確かに囁いたのだ


私は振り返る

誰なの?


アスファルトの続く道で

スニーカーを履いた靴音はなく

優しい陽射しの中

時折吹く風だけは厳しく


目を覆う髪を指で抑え

俯き加減で歩いて行けば


誰よりもあなたを愛していると

小さな黄色の花弁が笑い

ミモザが頷いた

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