第2話 止まらないもの



風は

止まらないから風と言う


美しき花達が咲き出し

まだ冷たい風に花弁が揺れ

やがて蜂達が羽音を鳴らせ

蝶が舞い出す


風通る林間の道は

源流の山奥へ向かう河川敷

走り続けなければ倒れる二輪のように

走り続けようかと問いただせば


風に過去を預け

明日を悩まず

時の中を駆け抜けようと答えを出してみる


太陽が陽の光が

緑を覆う花達が

翼を持つ者達が

自由に歌い出せば


誘われるがままに

私は走り出す

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