第十三話 打ち上げ

「おばちゃーん!今日も来たよー」

「あら、ナツキちゃんじゃないの。なんだい、今日は勝ったのかい?」

「もちろん!それで今日は4人なんだけど席空いてる?」

「おや、今日はだいぶ賑やかじゃないか。4人だと座敷になるけどそれでも大丈夫かい?」


 ナツキは後ろを振り返って私たちの方を見る。

 私が頷いてレキが頷いてシキが頷く。

 気づかないうちにサラッと人間の姿に変装してたし。


「おっけー、おっけー」

 私たちの反応を見てナツキが女将さんに伝える。


「そしたら座敷の右側の机に座っておくれ。左の方は予約の席だから汚したりしないでおくれよ」


 私とナツキ、レキとシキのペアで向かい合うように席に着く。


「はい。おしぼりとお通しね。いつもはナツキちゃんが勝った時はお通し代を取ってるんだけど、今日は可愛らしいお友達がいるからサービスしておくね」


 いやぁ、可愛いって。なんか照れるなぁ。


「さ、これがメニューだけど…。とりあえず鳥の唐揚げとメンチカツ4個ね、おばちゃん」

「はいはい。いつものやつね」

 女将さんはナツキが注文を言い終わる前から既にキッチンの方へと向かっていた。


「こういうとこってあんま来ないでしょ」

「うん。ちょっとワクワクしてる」

「私も普段は1人かレキと来るからここまで賑やかなのは初めてでちょっとワクワクしてる。

 2人して笑い合ったところで鳥の唐揚げが到着した。


「はい。ちょっと多めにサービスしといたからね」

「やったー!おばちゃん大好き!」

「ツケってことで今度ナツキちゃんから多めに貰っとくから気にしなくていいからね」

「ええ!?」

 冗談だよと言いながら再びキッチンに帰る女将さん。


「さ、せっかくの出来立てだから早く食べちゃおうか」

 熱々の唐揚げを4人でつまみ始める。


「そういえばなんで今日はこんなところに来てたの?」

「シキにここに多分他の魔法少女がいると思うからって」

「顔合わせみたいなものね。確かにここにいるのは多いけど」


 4人で唐揚げを食べているとメンチカツの方も到着した。

 それとほぼ同時に横の予約席のお客さんも来店したみたいで、隣の席に座り始めた。


「お?なっちゃんじゃないかい?」

「え?」

 隣の席の1人がナツキに声をかける。


「あれー!清ちゃんじゃん!山さんも!」

「そちらの皆さんはなっちゃんのお知り合いですか?」

「え?は、はい」


 どうやら横の席を予約していたのはナツキの知り合いだったようで、せっかくだからということで一緒にご飯を食べる感じになった。


「ん?ってあれぇ?」

 ナツキが何かに気付いたようで、隣の席の壁際に座っている人に向かって声をかける。

「佐々木さんじゃないですか!こんなところで何してるんですか?」


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