第十二話 勝負に勝った後は
今日のレースが終わり、ぞろぞろと観客が競艇場を後にする。
「今行くと出口が混んでるから、少し落ち着いたら行こうか」
「うん」
やがて屋外のスタンドに残っている人はほとんどいなくなり、残っているのは一服を楽しんでいる人がちょっといるくらいだった。
屋内に入るとこれからナイターのレースを楽しむ勝負師たちがあちらこちらに取り付けられている大小様々のモニターに注目している。
「今日は2場がナイターやってるからやろうと思えば出来ない事もないけど、やっぱり実際に生で見ないと面白くはないかな」
「確かに目の前で見た方が迫力があって面白かった!」
競艇所を出ると、歩いたり自転車で家に帰る者、無料送迎バスで最寄り駅まで行く者、競艇場の側の居酒屋で一杯ひっかけていく勝ち組。
十人十色とはよく言ったもの。
「よし!今日は勝ったからね!私たちもご飯食べて行こうか!あ!お酒飲める?」
「うん、飲める」
「おっけーおっけー。やっぱギャンブルとお酒は切っても切れないんだよね~。あ!大丈夫、無理に飲ませるとかはしないから!最悪、レキに止めてもらうから安心して!」
ちらっとレキの方を見るとにっこり笑って頷いてくれた。
良い人(?)なんだろうけど、なんか苦労してそうだなぁ。
「さ!行こうか!」
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