第八話 ハルとナツキ
レキが指さす方向の集団をよく見てみると1人女子が混じっているのが見えた。
多分、私と同じくらいに年齢だと思う。
「ナツキさん。買ってきましたよ、舟券」
「お、助かる。えーっと…、うん、ちゃんと買ってきてくれたな」
「あと俺の先輩の……」
レキがそう言いかけたところで集団のボルテージが急に上がった。
「あーっと!ちょっとその話は後にしてくれ!今、熱いところなんだ!」
レキの言葉は集団にかき消された。
ちょっとしょんぼりしながらレキが私たちの所に帰って来た。
「……お前のところの力関係どうなってんの?」
「……なんか大変そうですね」
シキと2人して同情した。
「よーっし!ナイスー!さてさて、オッズはどれくらいかな?っと」
ナツキは楽しそうな顔をして払い戻しオッズの放映を待っている。
「お!46倍か!まあまあついたな」
ナツキは嬉しそうな顔をしながら舟券を持ってこちらに歩いてきた。
「で?さっき何か言いかけてたけど」
「…こちらは僕の先輩のシキさんとそのペアのハルさんです」
ナツキはレキに向けていた視線をこっちに向けた。
「へー!じゃああなたも魔法少女なんだ!」
「は、はい」
「いやね?私も急にレキが見えたと思ったら気絶させられるわ教授に魔法少女になるように言われるわでさ!ハルも同じ感じ?」
「私もそうです」
「そうだよね~!」
ちょっと狼狽えちゃうくらいにナツキがガンガン距離を詰めてくる。
その時、後ろの建物の上の方から爆発音が聞こえてきた。
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