第20話 恨

日曜日のこと


母は友達と遊びにいくといい、昼頃に出て行ったのですが

父はそのあとの15時ぐらいに散髪しにいくというので


私ひとりでお留守番をすることになったのです

2階立ての家なので


私は、1階のリビングでTVを観ていました


その時、2階から足音が聞こえてきたのです


ドンドン・・・・・ミシ・・・


親はいないはずなのに


階段のところから声をかけてみました


「おとうさーーーん!帰ってきたの?」


「・・・・・・・・・・・・」


なにも聞こえてきません。

たぶん、きのせいだろうと思い


リビングにもどりTVを観ました


すると・・・


また、2階から


ドンドン・・・・・・


ミシ・・・


もしかして、父と母の部屋の窓があいていて

風で音を立てているのだろうと


2階へと上がりました


父と母の部屋までくると

確かに、ドアが

ドンドン!!

音を立てていたのです


やっぱりねえ・・


と思い、窓を閉めにいこうとすると


「あれ?」


ちゃんと閉まっているのです


父と母の部屋からじゃないってことは

どこからだろうと思い

2階のどこか開いているか

確認しました、


どこもちゃんと閉まっていました


するとまた

父と母の部屋のドアが


ギイ・・・・・


ガチャ・・・


え?風もないのに勝手に閉まったのです


「おとうさーーん!おかあさーーん?」


呼んでみました


「帰ってきたの?」


「・・・・・・・・・」


なにも応答はなく


するとまたドアが


ガチャ・・・・・


え?


ギイ・・・・・・・・


よくドアノブを見るとちゃんと回してあけている


そんな感じでした


そのあと

ドタン!!!バタン!!!

ドタン!!!バタン!!!

ドタン!!!バタン!!!

ドタン!!!バタン!!!


「ちょっと!うるさい!」

と思って、耳をふさぎ1階へと戻りました


あれはあきらかに誰かが開けていると思いました


それにしてもなぜ、父と母の部屋から


もう一度、父と母の部屋が気になり、2階へとむかうと

ドアは開いたままになっていました


まだ昼間もあって部屋の中も明るい


「道連れにしてやる・・・」

どこからかささやく声が聞こえてきました


ふと、壁にかかってある父のスーツのポケットに

なにかがはみ出てるのに


気付いたのです


入っていたのは、見ず知らない人との父とよりそって

撮っている写真でした


まさかの浮気相手・・・


その後、父にこのことを話すと

もう終わった仲だと言ってましたが、ポケットに写真をいれたことなんてないって言われました


彼女は、振られたショックで自殺をしたと言ったのですが

もう別れて、5年は経つといいます


それに、わたしが見たあの体験はちょうどその女性の命日でした


振られてもなお、幸せにしているわたしたちと父が許せなかったのでしょうね


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る