第19話 揺



不動産で働いていた私は営業で外回りをしていた時のことです。


都内から外れた町でのことでした。


古い築造の家なのですが 空き家になっているのです。


まだ住むにはいい家じゃないのとか思って 中の様子を外からでも伺うことができました。


ここを押さえればいい物件になるだろうと 外から見て「?」と思いました。


一階の和室のふすまの隙間に人影が見えたのです。


座っているのだがなにか変な感じでした。


なんというか座っておじきをしているように見えるのです。


身体を前後にゆらしていて


ゆら…


ゆら…


何度も揺れ続けて


ゾクッ


それをみていたらなにか 背筋がゾクッと感じました。


でも揺れている影が気になってしかたなくずっと見ていると 影の動きが少し激しく揺れはじめたのです。


そのうち髪も次第に波打って激しくなり、女性であることには気づきました。


遠くから揺れている影を見ていたので 私はその家の前を通り過ぎようと走ったのです。



でも気になる影にチラと見ると揺れがさらに増していたのです。


よくライブハウスでみる頭を激しくふる人みたいな 目にこびりついたまま帰宅しました。


幽霊なのか人なのかはわかりませんでしたが

後日。その家に入居する人が現れたのですが。


すぐにやめたらしいのです

そんな感じで何人か住んではやめるの繰り返し


あの家にはなにがあるんでしょうね

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