第12話 蛇

作者の私自身、困惑した出来事があった。


ある手紙と書物が同封されていて、書物を元の場所へ戻してほしいという依頼だった。


送り主の体験談


⚪︎⚪︎⚪︎県のとある山川に囲まれた自然の中、渓流釣りをしていたのです。


古い神社もあったりして、今思えばそこは廃神社だったのかもしれない。

そこである物を手にしてしまいました。


古い書物なもので、興味があったので、持って帰ってしまいました。


中身はまだ見ていなかったのですが、その夜、うなされて寝ていました。

蛇が自分の体を締め付けて、引きづりながら川に溺れる夢で終わりました。


あまり夢を見ることがない自分。

珍しいと思いました。


その日から、何度も夢を見ることになったのです。同じ夢を。


気づけば、一週間ほどはうなされていました。


休日、彼女が泊まりに来ることになり、掃除してくれました。


「ねえ。これってなに?」


布団の下からあの神社で拾った書物が置いてました。


そういえば、全然読んでなかったと思い、それを手にした彼女がめくると


「なんか怖い・・・・どうしたのよ・・これ」


「釣りしてる時に拾った。」と答えました。


「これ、戻したら・・・もしかしてKちゃんの首になにか見えるの。。。蛇!!」


彼女は強い霊感を持っている為、見えてたらしい。


拾った本人は、彼女が止められて書物を読むのをやめました。

元の場所に戻すこともやめてほしいと言われました。


そして私自身に発送で送られてきたという経緯です。


オカルト研究している私にとって、廃神社も気になる為に車で向かうことにしました。


書物自体も私自身読んでみました。


これは辞世の句に近いものなのかもしれない。書かれている内容もそうだが、書いた本人も調べれてみるが、これといって情報がなかった。


最後に、その書物に書かれていた内容を紹介しておこうと思う。

ただ、これは自己判断に任せます。



岩城西端「朧月」---------------------------------------------------


ある紅色に染まる夕暮れのときのこと


座敷で寝てる彼女をみていると

開けた白い服の中から蛇が落ちてきた


ひらりと落ちる蛇は染井吉野にかがやく桜のもとへと

逃げて行った


そしてその夜のことで

月のかけはじめた頃

彼女は和室の布団の上で嘔吐をし


夜な夜な便所へと駆け込むのでした


あの日、わたしくめが願ったこと


憎い彼女を殺したくて

長い蛇の祭るあの寺へと願ったのが

敵ったのでしょうか


満月がかくれはじめた頃に


憎らしい彼女の寝顔をみるために

覗き込むと白い目をむいている彼女


そして地を這うごとく染井吉野からくる

蛇の群が残酷なほどに彼女の肉体を

からみつき、殺したのです


絡み付く血のついた蛇は

川へとながれてゆくのでした


そして

蛇にちかったごとく

我のみをけずり


彼女を川へと流したのです


赤の川へと変わり


闇へと溺れてゆく

彼女の肉体


そして腐敗へと


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